Original German Edition:
(C)Heinrich Hugendubel Verlag, Muenchen 1994 und Wiener Spielkartenfabrik Ferd, Piatnik & Soehne, Wien 1994
English Edition:
(C)Reiner Knizia, 1996
Japanese Edition:
(C) Reiner Knizia 2002
All Rights Reserved.
This is an excerpt from "Neue Spiele im alten Rom - Japanese Edition (ISBN4-9901416-0-1)" published by us under the license of Dr. Reiner Knizia. And this excerpt is also published through the courtesy of Dr. Knizia.
This translation is based on the English Edition translated by Ken Tidwell and Kevin Jacklin.
この文章は、ライナー・クニーツィア(Reiner Knizia)著「古代ローマの新しいゲーム(ISBN4-9901416-0-1)」から、著者の許可を受けて抜粋されたものです。原著 "Neue Spiele im alten Rom" から日本語への翻訳の際には、底本として英語版 "New Games in Old Rome" (訳者: Ken Tidwell and Kevin Jacklin)を使用しています。
ゲーム集「古代ローマの新しいゲーム」の著作権は、ライナー・クニーツィア博士が保持しています。納められている全てのゲームについても同様に、著作権はクニーツィア博士に帰属します。
無断転載禁止
目次
歴史の糸車 Das Rad der Geschichte
ローマ七丘 Die sieben Huegel Roms
執政官 Konsul
元老院議員 Senator
ハンニバル対ローマ Hannibal gegen Rom
総督 Prokonsul
カエサル Caesar
スパルタクス Spartacus
法廷 Tribunal
カテリーナの陰謀 Die Verschwoerung des Catilina
帝国 Imperium
近衛兵 Die Praetorianer
商人 Mercator
大競技場 Circus Maximus
抜粋の方針
・ルール部のみ
・図版は全てカット
・コメントは全てカット
・例は全てカット
・変形ルールは修飾的な部分のみカット
・そのほかは場合に応じて
・本に載っている最終版より翻訳のバージョンが一つ二つ古いので、誤訳や誤植などが割とあったりします
歴史の糸車 Das Rad der Geschichte
2〜5人用/10分
カード/ポーン1個/メモ帳
もう一度、物語の始まりに戻りましょう。ローマ創設の何世紀も昔、アペニン半島には既に様々な人々が住んでいました。ラテン人、サビニー人、ウンブリア人、エトルリア人、サムニウム人などです。人々は互いに交わりました。イタリアは諸文化、そして社会階層の坩堝となったのです。ある者達は興隆して力と繁栄を手にし、またある者たちは足跡を残すことなく消えていきました。
我々の最初のゲーム「歴史の車輪」は、これらの事象をたどるものです。開始時点では、カードは大きな円を描いて配置されています。カードの各色は人々の部族を表しており、個々のカードの数字は諸社会階層を表します。次々と手番が回る中で、各プレイヤーは円からカードを一枚ずつ取っていきます。目的は、一部族の全てのカードをひとつにまとめ、持続性を持った共同体に統合することです。しかしご注意を、前進には犠牲が付き物です。ある階層の零落が、他の全階層の興隆のためには必要なのです。
用具
五色それぞれ1から5までのカードを使用します。また、黒のポーン1個、メモ帳と鉛筆も必要になります。
準備
25枚のカードをシャッフルし、表を向けて大きな円を描くように並べます。ポーンは円上にある任意の2枚のカードの間に置きます。ゲームを開始するプレイヤーを選びます。
ゲームの流れ
手番はテーブルに座っている順に進めていきます。手番のプレイヤーは、ポーンを現在の位置から時計回りに、隣のカードか2つ先のカードか3つ先のカードのところまで進めます。手番プレイヤーはその場所のカードを取り、ポーンのほうは今カードが取り去られて空いたその場所に置いておきます。カードはそれを取ったプレイヤーの手前に、表を向けて並べます。以上が済んだら、隣のプレイヤーが手番を行い、ポーンを動かしてカードを取ります。
精算
一色のカード5枚のうち最後の5枚目のカードが円から取り除かれたら、得点の計算を行います。この色の部族は一つになり、永続する共同社会を形成します。
全てのプレイヤーは、自分の持っているこの色のカードの数字を合計しただけの得点を受け取ります。それが終わったらゲームは再開されます。
ゲームの終了
ある一つの数字が書かれたカード5枚のうち、最後の5枚目のカードが誰かによって円から取り除かれたら、ゲームは即座に終了します。このカードの数字によって示される社会階級は、零落します。
ここで各プレイヤーは、自分の持っているこの階級のカードの値を合計しただけの減点を受けます。極端な場合、プレイヤーの得点は負の値にもなり得ます。"Quidquid agis, prudenter agas et respice finem." (何をするにせよ、思慮深く行い、結末を考えよ)
取られた最後のカードが、ある色の5枚目のカードでもあった場合、その色のカードの精算もゲーム終了前に行われます。
シリーズ
このゲームは非常に短いので、複数ラウンドに渡って行い、総得点の最も高いプレイヤーを勝者とすることもできます。
あるいは、一人のプレイヤーが50点に達するまで、ラウンドを繰り返しても構いません。
単独カードの没落
巧妙なルールを付け加えることができます。つまり、それぞれのプレイヤーはゲーム中に一度だけ、円から取ってきたカードを、裏を向けて直ちに廃棄することができる、というものです。このカードは転落し、ゲームから取り除かれたものとして扱います。
カードの転落により、一部族の精算が不可能になり、また一階級の零落が防がれます。その色または数字のカードを五枚並べることは、もはや不可能なのです。
このルールを採用すれば、相手が高得点を挙げるのを防いだり、あるいは例の没落の匂いを嗅ぎ取ったのであれば、自分の階級を保護したりできます。
このルールを5人ゲームで使用する時、どの値のカードも一枚ずつゲームから取り除かれてしまい、通常の形でゲームを終了させることができなくなってしまう可能性があります。この場合、全てのカードを取るまでゲームを続けます。
色と値の精算
全ての数字が同じだけの潜在能力を持つとすれば、ゲームは違った流れを辿ることになります。ということで、同じ値のカード5枚が円から取られたら、プラスの精算が行われるようにします。これはなかなか面白い代案です。
ある値の5枚目のカードが円から取られた場合、その値のカードを精算します。但し、カードの値の評価は逆転させます。1は5点になり、2は4点、3は3点のまま、4は2点、そして5は1点にしかなりません。低い社会階級のほうが高い階級よりも稼ぎが大きいのです。
色が精算される場合は、通常のままの値を用います。部族の中では、高い階級は強い影響力があります。
ゲームは、一つ以上の色と一つ以上の値が精算されるまで続行します。ゲームが終わるまでに、たくさんの色またはたくさんの値が精算されるかもしれません。ですが、両方から一つずつが精算されたら、ゲームは終了です。この変形ルールでは、プレイヤーの得点がマイナスされることはありません。
一枚のカードを取ることによって、一つの色と一つの値の精算が同時に起きる可能性があります。この場合、両方の精算を記録してからゲームを終えます。
ローマ七丘 Die Sieben Huegel Roms
2人用/10分
カード
テヴェレ川の河口近く、ローマ七丘は広がっています。この地域に早くから入植を行っていたのは、ラテン人とサビニー人でした。その際、当然ながら、友好関係と同時に、最良の土地への入植をめぐる競争も生じたのです。
プレイヤーはラテン人、サビニー人の役割を担当します。それぞれのプレイヤーは、これらの部族の一つを表す手札を受け取ります。ローマ七丘は両プレイヤーの間に広がっています。プレイヤーは交互にカードを一枚ずつ丘の上に置いていきます。丘に対してより影響力の強い方の部族が、その丘に入植できます。より良い結果を残せるのはどちらでしょう?
用具
このゲームで必要なものは、赤と青の1〜9の数字カードと、黄色の1〜7の数字カードのみです。
準備
片方のプレイヤーは赤のカード九枚を取り、もう片方のプレイヤーは青のカード九枚を受け取ります。黄色のカードはローマ七丘を表し、両プレイヤーの間に列状にして広げます。どちらのプレイヤーから始めるか決めてください。
ゲームの流れ
交互に手番を行います。手番のプレイヤーはカードを一枚選び、そのカードを任意の丘に隣接させて裏向きに置きます。カードはテーブル上の最も自分に近い側に置いてください。既にその場所にカードが置いてある場合は、新しいカードに完全に覆われてしまわないようにしてください。
相手が直前にカードを置いた丘には、自分のカードを置くことはできません。
丘に片方の部族しか住んでいない限りは、その丘に置かれたカードの中身を調べることはできません。しかし、丘に相手方のカードが付け加えられたら、直ちにその丘のカードは全て公開され、表を向けて置かれます。それ以後その丘に付け加えるカードも全て、表を向けて置きます。
ゲームの終了と精算
両者とも全ての手札を出しきったら、ゲームは終了となります。ここで、裏向きになったままのカードを全て公開します。
丘の入植が決行されます。丘に両部族とも存在する場合、それぞれのプレイヤーはその丘に置いた自分のカードについて数字を合計し、そして合計値の高いほうがその丘と黄色カードを獲得します。丘に置かれたカードの合計値が両者とも等しい場合は、黄色カードは先手番のプレイヤーのものになります。丘に一部族しか存在しない場合は、そのプレイヤーがこの丘の黄色カードを受け取ります。
全ての丘について決算が行われたら、それぞれのプレイヤーは自分の黄色カードの数字を合計します。この合計の高いプレイヤーの勝利となります。一ゲームにおける同点は同点のままで処理され勝者の決定は行われません。
シリーズ
一シリーズは二ゲームによって行われ、各プレイヤーが一度ずつ先手番を持ちます。両ゲームの得点を足し合わせ、総得点の高いほうがシリーズの勝者となります。
変形ルール
より戦術的に深いゲームにするために、以下の特別ルールを付け加えることもできます。片方のプレイヤーがある値のカードを丘に出したら、相手側はそれ以後ゲーム中のどの時点でも、その丘には同じ値のカードを出せなくなるというものです。
ある丘のカードを公開したときに、相手が同じ数字のカードを使っていることが解ったら、直ちにゲームから取り除かれ、裏を向けて捨て札となります。ここで手番は反対側のプレイヤーに移りますが、しかし直前に公開したばかりの丘にカードを置くことは依然としてできません。
旗印カードをバリケードとして使う
前の変形ルールと同様の効果を、新たなカードを導入することによって得ることもできます。ゲーム開始時に両プレイヤーは、自分の色の旗印カードを一枚受け取ります。このカードの値は0とします。しかしこのカードはバリケードとしての機能を持ち、これは新たな戦術的可能性を開きます。
旗印カードが丘に出ていた場合、これは次にその丘に出たカードを、そのカードが自分の部族のものであろうと相手部族のものであろうと無効化します。二枚のバリケードが連続して出された場合も、互いに無効化されます。
旗印カードと無効化されたカードは両方ともゲームから取り除かれ、裏を向けて脇に退けておきます。その後に出す次のカードは違う丘に出さなければいけません。
旗印カードが裏を向いて丘に出されている場合、効力はその丘のカードが公開されてはじめて発揮されます。その旗印カードが、自分の部族がその丘に出した最後のカードであれば、公開のきっかけを作ったカードを無効化します。つまり、相手側のカードをです。しかし、旗印カードの後に自分の部族のカードが一枚かそれ以上出されていたら、その時は旗印カードの直後のカードが無効化されることになります。その他のカードは全てそのままです。
バリケード単独では丘の獲得はできません。バリケードは伏せて出すことで相手に対する罠として働き、相手が見知らぬ丘に入植する事のリスクを高めます。バリケードはまた、既に公開された丘に護衛として出すこともできます。
最強カードによる支配とオープン・ゲーム
出されたカードの値の合計ではなく、出された中で最も大きいカードによって丘における勝利が決まるようにすれば、ゲームにさらなる戦術が呼び込まれます。最も位の高いものが地を治め、最強のカードがゲームを支配するのです。
ある丘について、最大のカードで比較して同点になった場合、その丘の所有権は、各プレイヤーがその丘に置いた二番目に大きいカードによって決定します。
通常のゲームですと、出したカードが直ちに表になるようにすると魅力を失ってしまうのですが、この変形ルールでは、そうすることによって更に面白くなります。
ということで、全てのカードを各プレイヤーの前に表にして並べておき、これを表を向けて丘に出すようにします。新たな戦術が要求されます!
執政官 Konsul
2〜4人用/20分
カード
立身出世した全ての政治キャリアにとっての頂点は、執政官として一年間共和政ローマのために仕えることでした。最も令名の高いローマ市民だけが、この高貴な職務を得ることができたのです。公職の割り振りに関しては、元老院が強い影響力を持っていましたが、しかし勝利への最も重大なステップは、民会における選挙でした。
「執政官」では、プレイヤーは最高の公職を勝ち取るために人気を競います。カードは民会の参加者を表し、伏せて広げておきます。どういった選挙の際にも、候補者は壮大な演説や大層な公約を行いがちなものです。このゲームでは、これらの公約と、選ばれた候補者のそれを実行する能力の両方を再現します。各候補者は組になったカードを可能な限りめくって集めることを試みます。記憶力が問われます。しかし候補者が公約をあまりに多く結びすぎてしまった場合、すぐにカードを失い、選挙に敗れてしまうことでしょう。
用具
このゲームで必要なものは、五色それぞれ1〜8の数字カードと、十枚全ての旗印カードだけです。
準備
1〜5の数字カードは旗印カードと一緒にシャッフルして裏向きに広げ、各列に七枚のカードが並んだ五列の格子を形作ります。
各プレイヤーは最初に、6,7,8の三枚それぞれ異なった色からなる手札を受け取ります。厳密にどのような構成にするかはゲーム上重要なことではありません。余った6,7,8の各カードは伏せて脇に置かれ、ゲーム中では使われません。誰からゲームを開始するか決めてください。
カードの収集
可能な限り多くのカードを集めるのが目的です。各プレイヤーは、なるべく多くの民会参加者を自分の側に付けようと思っているのです。格子中のカードの組を巧くめくっていくことによって、個々のカードを集めることができます。
同色のカードのみ、または同じ値のカードのみによって一つの組が構成されます。カード一枚だけで一つの組とすることも可能です。旗印カードは全て、どの組にも入れることのできるワイルドカードとして扱います。
組の価値は、その組のカードの数字を全て合計したものに等しい値となります。旗印カードは一枚2点の価値を持ちます。
ゲームの流れ
ゲームは何ラウンドかに渡って行われます。各ラウンドの開始時に、格子からカードの組をめくる権利を巡って競りが行われます。
ラウンドを開始したプレイヤーが、最初の競り値を宣言します。以下、ゲームは時計回りに進めていきます。手番のプレイヤーは競り値を上げるかパスをします。一度パスをしたプレイヤーは競りから外され、以後そのラウンド中は競り値を付けることはできません。
最も高い競り値を付けたプレイヤーだけが、このラウンドにおける手番を獲得します。格子に並んだカードから一枚めくり、元々あった場所に表にして置きます。最低でも自分が付けた競り値だけの価値の組を作れるように、カードを一枚一枚めくり続けます。記憶力と運が成否を分けます。
失敗
現在の組に付け加えることのできないようなカードを格子からめくってしまったら、そのプレイヤーの手番は失敗に終わります。
このプレイヤーは過大な公約を結んでしまい全ての責任を果たせなかったということで、自分の手札のうち任意に一枚を選び、このカードを失うことになります。このカードは格子中で空いている任意の場所に、表を向けて置きます。空き場所がなければ、格子の横にカードを置きます。
表になった全てのカードを、元の位置で伏せられた状態になるようにひっくり返します。失敗に終わった落札者の左隣のプレイヤーから、次のラウンドの競りを始めます。
各プレイヤーは自分の手札をゲーム中に確認しても構いません。自分のカードについての情報を他人に明かしてはいけません。
成功
宣言した以上の価値を持つ組を首尾良くめくることができたら、落札者はそこで止めることができます。しかしながら、組の枚数を増やすためにカードをめくり続けることを選んでも構いません。
最終的に組が崩れないまま自分の手番を終えたら、格子中の表になった全てのカードを獲得し、自分の手札に加えます。この成功した落札者から、次のラウンドの競りを開始します。
プレイヤーの早期脱落
もしプレイヤーが競り値を満たすことができず、かつ、このとき格子中に置くべき一枚のカードも手札に残していなかったら、そのプレイヤーはゲームから脱落します。
ゲームの勝利条件
格子中の35枚全てのカードがそれぞれのプレイヤーに配分されたら、ゲームは終了となります。集めたカードの値は考慮されません。各プレイヤーは単純に、手札の枚数を数えます。最も枚数の多いプレイヤーがゲームに勝利し、新しい執政官となります。
カード枚数による競り
記憶ゲームは大人と子供が同じ条件で遊ぶのに大変良いものです。しかし「執政官」では競り値を評価するために、プレイヤーにカードの値を足し算できる能力を求めています。幼いプレイヤーでは問題が起こりやすいでしょう。
単純化した変形ルールでは、全てのカードの競りにおける値を1とみなします。民会の全参加者は今や全く等しい存在です。有効な組としてめくれそうなカード枚数を競り値として宣言するだけです。最も大きい枚数を宣言したプレイヤーが手番を獲得し、そしてそのプレイヤーは宣言した枚数以上のカードによる組を作らなければなりません。これにより必要な計算能力は少なくなりますが、それでも楽しいゲームになります。
元老院議員 Senator
2(または3)人用/10分
ゲーム盤、カード
元老院は常に、ローマで最も強い政治権力でした。貴族の家系の代表はそこで、共和国の繁栄を確保するのみならず家系の私的な権益を保障できる方向に、国家の政策を操っていたのです。
「元老院議員」では、有力な二つの家系が元老院の主導権を巡って争います。プレイヤーは両方とも、家系の人間を表すカードを自分の前に表にして並べ、このカードを交互に、ゲーム盤端の階段のマスに押し出していきます。前から出されていたカードはずらされて、ゲーム盤の内側の、元老院が位置する場所に移動します。両プレイヤーの目的は、家系の人間を操って、ゲーム盤中央の、権力の座に就かせることです。
用具
ゲーム盤の他に、赤と青のそれぞれ1〜10の数字カード、そして黄色の旗印カードが一枚必要です。
準備
ゲーム盤は横の列が五列と縦の列が五列で、合計21マスから構成されています。中央の九マスは元老院を表しています。盤の外側に位置する12マスは端が切れていますが、この12マスは階段を表しています。この階段を通じてしか、元老院に到達することはできません。
片方のプレイヤーが赤の家系になり、家系の人間を表す十枚のカードを自分の前に表を向けて置きます。もう片方のプレイヤーは青のカードを取って、同じようにします。どちらから始めるか決めます。
ゲームの流れ
最初のプレイヤーがゲームを始める前に、もう片方のプレイヤーが、旗印カードをゲーム盤上の好きなマスに表を向けて置きます。旗印カードは基本のゲームでは特に意味はありません。単にゲーム盤の21番目のマスを埋めるというだけです。
交互に手番を行います。手番のプレイヤーは自分のカードを一枚選び、ゲーム盤周縁の階段のマスへと外側から随意に押し込みます。ゲーム盤のいずれの縁から押し込む場合も、押し込む方向と同じ向きの矢印が示された五つの階段にのみ入れることができます。ゲームの流れの中で、カードをどの方向からゲーム盤に入れるのかも重要になってきます。従ってプレイヤーは、自分の手番に、12ある階段マスのうちの一つにカードを入れる選択肢を20持っていることになります。
家系の新たな人間を押し込もうとしている階段マスに、既にカードが入っていた場合、元々あったカードは、カードを押し込んだのと同じ方向で、隣のマスに押しやられます。そのカードがまた別のカードを押しのけた場合、押しのけられたカードがまた一つ先のマスに追いやられ、以下同様に処理されます。基本原理として、一つのマスには一枚のカードしか存在できないのです。
いったんゲーム盤上の一列全部がカードで埋まったら、その列にはもうカードを押し込めません。カードを押しやってゲーム盤の向こう側に落とすことはできません。
勝利条件
全てのカードが出され、盤上の全てのマスが埋まったら、ゲームは終了します。両プレイヤーとも、盤中央九マスの元老院の中にある自分のカードの値を合計します。階段にとどまっているカードは政治的影響力を持たないので、勘定に入れません。合計値の高いほうのプレイヤーが元老院を支配し、ゲームに勝利します。
旗印カードの特別な機能
旗印カードは、いくつもの刺激的な変形ルールの基となります。
ゲーム終了時点で元老院の中にいるカードのうち、旗印カードと同じ縦列または横列に存在するもの全て、値を倍にすると決めておくこともできます。旗印カードはカエサルと彼の影響力を表します。
ゲームは行方がなかなか決まらなくなり、また濃密で変化に富んだものになります。カエサルに近づこうとする熱狂的な闘争は、熱の入りすぎた多くの代表者たちを元老院から押し出してしまうことでしょう。是非ともこの変形ルールを試してみてください!
もうひとつ考え得る方法は、旗印カードと同じ列にいるのであれば、階段上のカードも得点に加えるというものです。ここに至って、元老院へと続く階段の上でも、権力を巡る争いが始まることになります。このルールと、中央における旗印カードによる倍増効果を併せて、さらなる変形ルールとすることもできます。
逆に、旗印カードに無力化の機能を割り振ることもできます。この場合、旗印カードと同じ列に置かれたカードは得点に数えません。旗印カードはブルータスであり、皆が彼を遠ざけるのです。この破滅的なルールでは、家系の多くの人間は、最終的な得点にまでたどり着けません。
旗印カードの特別な機能は、直に隣接するマスに対してのみ適用するようにするだけで、もっと多くの変形ルールを作ることができます。この効果は、得点倍増や階段上のカードへの追加得点、また個々のカードの無力化などと重ねて採用できます。あなたの想像力に限界はありません!
隠匿ゲーム
真の権力ゲームは公然とではなく、裏で秘密のうちに行われるものです。「元老院議員」では、これを実現することもできます。
ここでは、プレイヤーは自分のカードを手札として持ちます。旗印カードは最初から、ゲーム盤に裏向きの状態で置いておきます。それ以降のカードも、ゲーム盤上に裏を向けて押し込んでいきます。ゲーム中のどの時点でも、これらの中身を覗いてはいけません。ゲーム終了時点ではじめて全てのカードが表にされ、家系の本当の力が明らかになります。これによってゲームの基本戦術に記憶の要素が加わります。
「元老院議員」の三人ゲーム
「元老院議員」のゲームの原理は、三人目のプレイヤーを入れて拡張することが可能です。この場合、各プレイヤーはそれぞれ一色の数字カード1〜7を受け取ります。
旗印カードは脇に置かれ、ゲームには使用されません。その他の点ではゲームは通常通りに進行します。元老院で最も良い結果を出したプレイヤーが勝利します。
相手となるプレイヤー両方の強さを評価して、それに従って行動することが必要になってきます。同盟は変遷し、同情がゲーム上で役割を持ち、そして不正や軋轢が発生します。これこそが真に権力と干渉のゲームなのです。
ハンニバル対ローマ Hannibal gegen Rom
2人用/10分
ゲーム盤、カード、ポーン2色×3個、カウンター2色×7個
第二次ポエニ戦争において、ハンニバルは良く知られているようにイタリアへの遠征を行い、象と共にピレネーそしてアルプスを越えます。 "Hannibal ante portas!" (門前にハンニバルが!)という言葉がローマでは恐怖の表現になり、カンネーにおける敗戦はローマ人にとって暗黒の一日となりました。時の流れと共に、ローマの司令官スキピオは、戦線をイタリアからスペイン、そしてアフリカへと移動させることに成功します。ザマの戦いで、最終局面がローマ優位に決しました。カルタゴは敗れたのです。さもなくば、今日の世界は全く違った様相を示していたことでしょう。
「ハンニバル対ローマ」では、この時代に起きた出来事に迫ります。片方のプレイヤーはハンニバルとカルタゴ人を指揮し、もう片方はローマ人の役になります。ゲーム盤は西地中海域を、いくつもの区域に分けて示しています。互いの軍団と艦隊がゲーム盤上を動きます。戦闘はカードを使って解決します。以上により、地中海域の主導権が決せられるのです。
用具
同梱のゲーム盤と、赤青それぞれ1〜5の数字カードを使用します。加えて、ポーンが赤青各三つ、カウンターが赤青各七つ必要です。ポーンは艦隊を、カウンターは軍団を表します。
準備
ゲーム盤は二人のプレイヤーの間に置きます。古のローマの時代における西地中海域が描かれています。地域が11あり、五つの海路がそれぞれ地域を二つずつ繋いでいます。
片方のプレイヤーが青のローマ人を導き、もう片方のプレイヤーが赤のカルタゴ人を担当します。両者とも、自分の色の1〜5の数字カードを取って手札とします。
ローマ側は、青の軍団を七つ受け取ります。この軍団はゲーム開始時にはローマ(ROME)にいます。加えて青の艦隊三つを取って、こちらはローマとコルシカ(CORSICA)を繋ぐ海路に置きます。
カルタゴ側は自分のカウンターのうち二つを積み重ねて、特別にハンニバル軍団を作ります。このハンニバル軍団はゲーム開始時にはカルタゴ(CARTHAGO)にいます。この二つのカウンターはゲーム中ずっと繋がったままで、一つの駒として扱います。さらに、カルタゴ人担当のプレイヤーは通常の赤の軍団五つを受け取ってカルタゴに置き、加えて赤の艦隊三つを取りカルタゴとサルディニア(SARDINIA)を繋ぐ海路に置きます。
ゲームの流れ
ローマ側からゲームを始めます。その後は最終的にどちらかがその欲する結果を得るまで、両者が交互に手番を行います。
手番のプレイヤーは、必ず自分の軍団または艦隊一つを移動させないといけません。対立する両軍団が同一の地域でぶつかった、あるいは対立する両艦隊が同一の海路でぶつかった場合、戦闘が起きます。戦闘はプレイヤーが持っている手札を使って解決します。以上でプレイヤーの手番は終了となり、相手が次の手番を行います。
手番における二つの活動、つまり軍団か艦隊の移動と戦闘の解決ですが、これを次に説明します。
軍団または艦隊の移動
軍団は隣接する地域へしか移動できません。ふたつの地域が、自軍の艦隊が置かれている海路一本で繋がれている場合、軍団はその海路を渡って向こう側に行くことができます。
カルタゴ側のハンニバル軍団は、直に隣接する地域にしか移動できません。ハンニバルの象は地中海上の三島には渡れないのです。
艦隊は制限無しに、ある海路から別の海路へと移動できます。
戦闘の解決
プレイヤーが自分の軍団を、既に相手の軍団が一つ以上置かれている陸上地域に移動させた場合、戦闘が起きます。戦闘はカードを使って解決します。
両者とも手札から一枚んで同時に公開します。相手より低いカードを出したプレイヤーは、係争地域から自分の軍団を一つ取り去り、ゲームから除去しないといけません。使用した二枚のカードは裏を向けて脇に置きます。
争われている陸上地域にまだ両者の軍団が残っているために戦闘が終息しないという場合、同様の方法で戦いを続けます。それぞれのプレイヤーが新しいカードを一枚ずつ選び、同時に公開し、低い方を出したプレイヤーはまた軍団が一つゲームから廃棄され失われます。この手続きは、該当地域に残っている軍団が全て一方のものとなるまで繰り返されます。
同点の場合、つまり両者が同じ値のカードを選んだ時ですが、この場合は両者とも争いが起きている陸上地域から軍団を一つ取り除きます。使ったカードは裏を向けて脇に置きます。
五回の戦闘でプレイヤーが手札を全て使い切ったら、捨てられていたカードを取って新たに手札とします。両者とも再び、今後の戦闘のために1〜5の全カードを自由にできるわけです。
また、プレイヤーが自分の艦隊を、既に相手の一個以上の艦隊によって占拠されている海路に移動させた場合も、戦闘が発生します。この戦闘は、軍団同士の戦闘と同様の処理で解決します。従って、やはり戦闘はその海路に片方しか残らなくなるまで続きます。
ハンニバル
ハンニバルが関る戦闘では、特別なルールが適用されます。
戦闘の開始時、戦闘が行われる陸上地域にハンニバルが他のカルタゴの軍団と一緒にいた場合、カルタゴ側のプレイヤーはどちらの軍団が戦うのか宣言しなくてはいけません。その陸上地域にいるカルタゴ側の軍団がハンニバル軍団だけだった場合は、自動的にハンニバル軍団が敵と戦うことになります。
ローマ軍団とハンニバル軍団が戦うときは、カルタゴ側のカードの値に1を加えます。カルタゴ側が負けたか同点だった場合、ハンニバル軍団はゲームから取り除かれます。しかしハンニバルが勝ち続けている限りは、カルタゴ側はハンニバル軍団を使いたいときに使うことができます。
勝利条件
ゲームの決着をつける方法は以下の四通りあります。
1.片方のプレイヤーが自分の軍団を相手の首都に進入させることができたら、ゲームは直ちにそのプレイヤーの勝利をもって終了となります。首都防衛戦は行われません。
2.片方のプレイヤーが自手番の終了時に地中海地域を支配していた場合も、そのプレイヤーの勝利をもってゲーム終了となります。
ローマ側のプレイヤーが地中海地域を支配しているものと見なされるのは、サルディニアに一つ、北ヒスパニアかモーリタニア(MAURETANIA)に一つ、そしてザマかシシリアに一つ、自分の軍団を置いている時です。カルタゴ側のプレイヤーに要求されるのは、コルシカに軍団一つ、北ヒスパニアかガリアに軍団一つ、そしてシシリアかカンネーに軍団一つです。
3.片方のプレイヤーが軍団を全て失ったら、そのプレイヤーの負けとなります。両者が同時にこの状態に陥った場合、ゲームは勝者無しで終了となります。
4.片方のプレイヤーが自分の手番に駒を動かすことができなかったら、そのプレイヤーの負けとなります。相手側も次手番には駒を動かせないであろうことが確実だったとしても、負けに変わりはありません。
シリーズ
ゲーム盤はゲーム的に見て対称なのですが、ハンニバル軍団の存在がこのゲームに非対称性を与えています。一回ごとに役割を交換しながら、どちらかのプレイヤーが二回連続で勝利するまで、ゲームを複数回繰り返して行っても構いません。
中核部の支配
「ハンニバル対ローマ」には追加で、地中海地域の支配を巡る闘争と時間的な圧迫をさらに増強する、五つ目の勝利条件を加えることができます。このルールでは追加でチップが八つ必要になり、これはゲーム開始時にはゲーム盤の脇に置いておきます。
地中海上の三島と南北ヒスパニアで、ゲーム盤上の中核五区域が形成されます。ある一中核地域に片方のプレイヤーが軍団を置いているか、あるいは自分の軍団がそこを通過してさらに敵の首都側に置かれているとき、その中核地域は当のプレイヤーの支配下にあると見なされます。
自手番の終了時に中核五区域のうち三つを支配していたら、そのプレイヤーはチップを一枚受け取ります。このとき、相手プレイヤーは自分の持っていたチップを全てゲーム盤脇のストックに返却しなければいけません。
片方のプレイヤーが八枚のチップを獲得したら、切れ目ない優勢により、そのプレイヤーがゲームに勝利します。
総督 Prokonsul
3-5人用/45分
ゲーム盤、カード、ポーン6色×1個、カウンター5個×5人分、チップ
共和制の初期から、ローマ人は隣人の扱いに非常に長けていることを証明してきました。同盟諸都市がローマの市民権を提供され、すぐに戦敗国から忠実なる属国へと変わっていったのです。征服した土地が広がると共に、総督の指導下にローマ属州が創られました。高官がローマの職務から属州における総督管理下の職務へと転任させられたのです。拡大する一方のローマの運営は、かつてないほどに複雑なものになっていきました。
「総督」は、この本の中では最大級のゲームです。ルールは相当に複雑で、時間も比較的長くかかります。交渉の機会が多いため、プレイヤー個々の貢献によってゲームが円滑に解決するのです。
各プレイヤーはそれぞれ貴族家系に扮し、最も豊かな属州における総督の地位を得ようとします。ゲーム盤は共和政ローマ初期の属州を示しています。各属州の人事において、各プレイヤーはカードを用い、家系の人間の持つ影響力を行使します。総督になるためには、まず候補者として推薦され、それから属州の職務に指名されなければいけません。巧みな交渉が求められます!
用具
ゲーム盤に加えて、プレイヤーはそれぞれ一色、1〜9と12のカードを受け取ります。また、それぞれのプレイヤーにつき、カードと同色のポーン一つとカウンター五つが必要になります。最後に、黒のポーンひとつとチップがいくらか要ります。
準備
ゲーム盤をプレイヤーの間に広げます。ここにはローマの初期の属州が示されています。全ての属州には数字が書かれており、これは総督の職務者にとっての、属州の価値を示しています。
一人のプレイヤーが全プレイヤーのポーンを自分の手の中に入れ、ポーンを混ぜてから、一度に一つずつ、手の中を見ずに取り出します。このポーンはゲーム盤上の五つのマスに、引いた順で左から右へと置いていきます。プレイヤーが五人未満だった場合、残ったマスは空いたままにしておきます。このポーンの並び順が、ゲーム中に起こる同点時の解決手段になります。
それぞれのプレイヤーは自分のカウンターを、全員に見えるようにして自分の前に置き、自分の色のカード十枚を手札とします。各プレイヤーは初期支給額として、合計額が20になるようにチップを受け取ります。このチップはゲーム中は隠しておきます。残ったチップは金庫として置いておきます。これでゲームを始められます。
ゲームの流れ
ゲームはそれぞれ独立した複数のラウンドによって行われます。各ラウンドの開始時に、黒のポーンを七属州のうちのどこかに置きます。ラウンド中は全ての事が、この属州を巡って行われます。要約すれば、ラウンドは以下のように進んでいきます。
はじめに、プレイヤーはそれぞれカードを一枚選んで、同時に公開します。高いカードを出したほうから順に、各プレイヤーは家系の人間が総督の地位を得られるように、嘆願を行います。立候補者の誰かが選挙中、他の貴族からの充分な支援を受けた時点で、そのプレイヤーがラウンドを勝ち取ったことになり、対応する属州にカウンターを置くことができます。
使ったカードは裏を向けて脇に置いておきます。ラウンドを勝ち取ったプレイヤーが別の属州を選び、そこに黒のポーンを置きます。そして次のラウンドが始まります。
十ラウンドが終了し全てのカードを使い切ったら、プレイヤーは全員、自分のカードを手に戻してゲームを続けます。どのプレイヤーも再び、1〜9と12の全種類のカードを使えるようになるわけです。
カードの公開
各ラウンドの開始時に、プレイヤーはそれぞれ自分の手札からカードを一枚選び、それを自分の前に裏向きにして出します。全員の準備ができたら、カードを全て一斉に表にします。貴族家系はこのカードを、総督人事に介入するために使うのです。
公開されたカードの値を合計し、合計値をはっきりと宣言します。ラウンドを獲得するためには、プレイヤーはこの合計値の過半数を掌握せねばなりません。この過半数となる値も宣言しておきます。これで全てのプレイヤーが、均等な情報のもとに交渉を始められるわけです。
自分のカード一枚だけで既に過半数を抑えているようなプレイヤーがいた場合は、そのプレイヤーが直ちにラウンドを獲得します。
嘆願の順序
誰も直接に過半数を獲得できなかった場合は、嘆願によりラウンドの行方が決まります。こちらの場合の方が普通でしょう。
最も高いカードを出したプレイヤーから嘆願を行います。このプレイヤーが嘆願に失敗したら、二番目に高いカードを出したプレイヤーが嘆願を行い、以下同様に、一番低いカードを出したプレイヤーまで続いていきます。最後のプレイヤーも嘆願に失敗したら、最初に嘆願を行ったプレイヤーが、このラウンドを獲得します。従って、いかなる合意もなされなかった場合でも、各ラウンドは必ず誰か一人が獲得します。
複数のプレイヤーが同じ値のカードを選んでいた場合、ゲーム盤上五つのマスの上に置かれたポーンが左に並んでいるほうから順に手番を行います。この方法によって嘆願権を獲得した同点のプレイヤーは、自分のポーンを一番右に移動させ、そして他のポーンはそれぞれ左にずれて空いたマスを埋めます。ですから、同点の場合にどの貴族家系が先手を取るかというのはそれぞれの場合で異なってきます。
嘆願の流れ
カードが公開され目標となる過半数の値が決まったら直ちに、管理された整然たるゲーム進行のために、コミュニケーションに関する厳格なルールを守らなければならなくなります。
プレイヤー間の話し合いは全て禁止されます。嘆願を行うプレイヤーだけがものを言い、自分の状況分析を提示し、自分に総督の職務を与えるよう説得することができます。他のプレイヤーは嘆願に対してコメントしてはいけません。双方向的な交渉は認められません。
嘆願を行うプレイヤーは必ず他のプレイヤーを一人選び、任意の内容の約束、またはチップの支払いという形によって、具体的な提案を述べます。提案を受けたプレイヤーは、「イエス」または「ノー」の回答を除き、コメントを行うことはできません。他のプレイヤーは、自分の舌がどれほど動きたくてたまらないと主張していようと、黙っていなければなりません。
選んだプレイヤーに提案が拒絶された場合、続く嘆願において、このプレイヤーにはそれ以上の交渉を持ちかけることはできません。嘆願する貴族家系の支援を拒絶したという事実には後戻りが効かないのです。
他方、選ばれたプレイヤーが提案を受諾した場合は、嘆願を行ったプレイヤーは約束しただけのチップを、家系の金庫から取ってきて渡します。見返りに、嘆願を行ったプレイヤーは、受諾したプレイヤーの公開カードを受け取り、自分自身のカードに添えて置きます。但し、嘆願を行ったプレイヤーには、それ以上の約束を守る義務はありません。
嘆願中のプレイヤーがまだ過半数を獲得できていないのであれば、一人また一人と別のプレイヤーへのロビー活動に移ることができます。
この手順は、嘆願を行うプレイヤーが過半数を獲得してラウンドを勝ち取るか、あるいは全員にロビー活動をし尽くしてしまうかするまで続きます。
プレイヤーが他の全員に話を持ちかけ、それでも過半数に到達しなかったのであれば、このプレイヤーの嘆願は失敗に終わることになります。この場合でも、このプレイヤーは集めたカードを全て残しておきます。
そして次のプレイヤーが嘆願を開始します。しかし、すでに自分のカードを明け渡したプレイヤーは嘆願を行うことができず、また手番の流れからも排除されます。
複数のカードを持っているプレイヤーに提案を行う場合、この提案は常に全てのカードが対象とされ、提案が受諾されたら必ず全てのカードが明け渡されます。何枚かだけ渡して残りは持っておくということはできません。
総督の候補指名と選出
必要な過半数を獲得したら直ちに、そのプレイヤーは自分のカウンターを一つ、黒のポーンが立っている属州に置くことができます。このプレイヤーは属州統治の候補者指名を受けたことになりますが、しかしまだ総督に任命されたわけではありません。カウンターが足りなかった場合、つまり既に五つ全てのカウンターを盤上に置いていた場合は、カウンターを置くことなくラウンドは終了します。
すでに自分のカウンターが一つ置かれている属州で過半数を獲得した場合は、プレイヤーは遂にその属州の総督の地位を獲得します。新しい総督には、属州の価値に等しい額のチップが国庫から授与されます。この当選したプレイヤーは、自分のカウンター一つを使って、属州の価値が書かれているところを覆います。他のカウンターは全て、この属州から撤去して元の所有者のところに戻します。この属州の体制は確定したので、以降は黒のポーンをここに置くことができなくなります。
各ラウンドの最後に、ラウンドを獲得したプレイヤーは別の属州を選び、そこに黒のポーンを置きます。カウンターは置かれていても構いませんが、総督はまだ選出されていない属州でなければなりません。勿論、七属州のうち六州で総督が任命された後は、最後の決定が行われるまで黒のポーンは七番目の属州に留まります。
連結された属州
隣接する属州のいくつかは、数字の5が書かれた特殊な記号によって連結されています。一人のプレイヤーがこの連結した属州の両方で総督に任命された場合、そのプレイヤーは国庫から追加で5のチップを受け取ります。
勝利条件
全ての属州において総督の職が決せられたら、ゲームは終了となります。プレイヤーは自分のチップを公開し、最も裕福なプレイヤーが勝利します。
自由交渉
標準ゲームにおける厳格なコミュニケーションのルールを和らげようということならば、ここに紹介する、時間のかかる変形ルールをきっと採用することになるでしょう。
誰の目にも明かな第一の変更点は、ロビー活動の手順において双方向の交渉を許可することです。支持を求める嘆願に対して応答することができるようになります。このルールでも、他のプレイヤーは全員黙っていなければいけません。
更に踏み込んで、全プレイヤー間の自由交渉を認めることもできます。必要な過半数の票を支配するような連合が形成され、ラウンドの勝者が承認されたら、そのラウンドは直ちに終了します。
この最後の変形ルールでは、意見の一致無しには勝利者が決定しないので、ゲーム盤上のポーンは不要です。ここで決定無しにラウンドを終了させるようにすることも可能です。一番および二番目に高いカードを出したプレイヤーしか過半数を作ることができないというようにすれば、ゲームに刺激的な対立を生じさせることができます。
短縮ゲーム
時間が押している場合、非常に短縮された「総督」を遊んでみることもできます。ゲーム開始時に、各プレイヤーは1から7までのカードを受け取ります。各属州に黒のポーンは一度しか置かれません。ラウンドを勝ち取ったら即座に総督になります。ゲームは7ラウンドで終了となります。
カエサル Caesar
2-5人用/20分
ゲーム盤、カード、ポーン1個、カウンター5個×5人分、カウンター1色×10個
ローマ革命期における権威の失墜は、以下に記すような傑物を繰り返し生み出しました。彼らは権力を握り、以後の出来事に対して決定的な影響を与えたのです。彼らとはつまり、マリウス、スッラ、ポンペイウス、そしてカエサルです。彼らは皆、自らの理想のために闘いました。
「カエサル」は権力をめぐるゲームです。各プレイヤーはカウンターを五つずつ持ちます。これは自分の応援民団体(クリエンテス)を表し、ゲーム盤上に配置されます。順々にカウンターを動かしていきます。より強力な団体を形成するため、カウンターが積み重なって権力が集約されていきます。闘争はカードを用いて解決します。最終的に最も多くのカウンターを制御するプレイヤーがゲームに勝利します。
用具
ゲーム盤の他に、各プレイヤーに一色からなる1から9までの数字カードと旗印カード1枚が必要になります。さらに各人につき、カードと同色のカウンターが五つ必要です。プレイヤー人数が五人未満の場合、別の色の中立的カウンターを使って、ゲーム上のカウンターの合計数が25になるようにします。青のカウンターは十個用意されているので、この用途に適しています。最後に、黒のポーンがひとつ必要です。
準備
ゲーム盤を広げます。縦横それぞれ五列、25のマスが描かれています。黒のポーンは盤の脇に置きます。
プレイヤーはそれぞれ、一色十枚のカードを手札として受け取ります。加えて、自分の色のカウンターを五個ずつ持ちます。このカウンターは、権力を求めるプレイヤーの戦いを支持する、応援民団体を表しています。誰からゲームを始めるか決めます。
カウンターの配置
このゲームは最初の五ラウンド、各プレイヤーが順々に自分のカウンターをゲーム盤上の空きマスに置いていくところから始まります。
ゲームのプレイヤー数が五人未満だった場合、空いたままのマスがいくつか残ります。これらのマスは中立カウンターで埋めて、ゲーム盤上の25マス全てが埋まるようにします。
ゲームの流れ
ゲームは順繰りに進んでいきます。手番のプレイヤーは、二つの行動のうちどちらかを取ることができます。
手番プレイヤーは、自分または中立の応援民集団の間で同盟を組ませることができます。そうしないのであれば、他のプレイヤーとの闘争に乗り出さねばなりません。その後、次のプレイヤーが同じように手番を行います。
同盟
自分のカウンターが二つ同じ縦列か横列に並んでいて、二つの間に他のカウンターが挟まっていなければ、そのプレイヤーはこの二つの集団を合併させることができます。片方のカウンターを取って、もう片方のカウンターのあるマスに移動させます。結果、二つのカウンターによって構成される単一の集団ができあがり、当然、より強い影響力を後々持つことになります。
複数のカウンターで構成されている集団についても、同じ方法で同盟を組むことができます。本質的に、一つのマスに存在している全てのカウンターは、常に単一のユニットとして移動させるのです。一度同盟が組まれたら、再び分割させることはできません。
プレイヤーが五人未満の場合は、盤上には中立のカウンターも存在します。この場合、間に挟まっているカウンターが無ければ、プレイヤーは自分のカウンターを中立のカウンターの上に重ねるという選択も同様に行えます。
こうしてプレイヤーが二つの集団を結合したら、手番は終了となり、次のプレイヤーの番になります。
闘争
自分の手番に同盟を形成するのでなければ、プレイヤーは必ず対立する集団との闘争に乗り出さなければなりません。自分の集団ひとつと他プレイヤーの集団をひとつ選び、二者の間に黒のポーンを置きます。この二つの団体は、必ず同じ縦列か横列に存在しなければならず、また間に別の団体が挟まっていてはいけません。
闘争は、両方のプレイヤーが手札から一枚ずつカードを選び、同時に公開することで解決されます。
片方あるいは両方のプレイヤーが旗印カードを選んでいた場合は、闘争は結果無しで終了します。しかし、両方とも数字カードを選んでいた場合は、それぞれの集団を構成するカウンターの数に、カードの数字を足し合わせます。この合計値が高いほうのプレイヤーが闘争に勝利し、自分の集団を、負けたほうの集団の上に重ねることができます。結果としてできあがる集団は、勝った方のものになります。これは新しい団体の一番上に置かれたカウンターが、勝った方の色のものであることによって示されます。
合計値が同点で引き分けの場合、集団は両方ともゲームから取り除かれ、片づけて置かれます。
いずれの場合も、闘争に使用したカードは両方とも、伏せて捨て札とします。各カードはゲーム中一度しか使用できません。プレイヤーは手札の残り枚数を他から隠してはいけません。
他のプレイヤーとの闘争に乗り出すことが不可能であれば、手番をパスすることができます。
勝利条件
ゲーム中に、誰かが自分の集団を全て失ってしまった場合は、そのプレイヤーは敗者となりゲームから除外されます。
誰か一人のプレイヤーが手札十枚を全て使い切ってしまったか、これ以上の闘争が起こり得なくなってしまったか、いずれかになったらゲームは終了となります。
ここでプレイヤーは、自分の持つ全集団のカウンターの数を足し合わせます。最も多くのカウンターを持っていたプレイヤーが、この権力を巡る闘争に、そしてこのゲームに、勝利します。
スパルタクス Spartacus
3-5人用/10分
カード、メモ帳
ローマが拡大する中で、多くの教養ある、また元々は自由の身だった市民が奴隷の身分となりました。そしてローマ革命期には奴隷の蜂起が頻発しました。ローマにとって最も危険だったのは、トラキア人剣闘士スパルタクスに率いられた、紀元前74年〜71年の蜂起です。スパルタクスはその絶頂期には十万人以上の兵力を有し、ローマの軍団に対して驚くべき成功を挙げました。しかし最後には、ローマ人は彼を打ち負かし、反乱者は故郷へ帰る望みを絶たれたのです。
スパルタクスは簡単なカードゲームで、ここでは低い値が高い値に勝ちます。各プレイヤーは開始時に同じカードの組を受け取ります。カードの値は、ローマ住民間の様々な階層を表します。各プレイヤーは順番に、より低いカードを連続的に出していきます。最も低いカードを出したプレイヤーが、出された全てのカードを獲得します。数ラウンド行った中で、獲得したトリックの価値が最も高いプレイヤーが勝者となります。
用具
それぞれのプレイヤーごとに、一色1〜10の数字カードと、同じ色の旗印カード一枚が必要です。得点の記録用に、メモ帳も必要になります。
準備
ゲーム開始時に各プレイヤーは、一色により構成される、1〜10の数字カードおよび旗印カード一枚を手札とします。メモ帳を区切り、各列の先頭にプレイヤー名を記入します。誰からゲームを開始するか決めます。
ゲームの流れ
このゲームは個々のトリックを通じて進行します。最初のプレイヤーが手札から任意のカードを出し、それからゲームを時計回りに進めていきます。
まだ旗印カードしか出されていなければ、プレイヤーは自分の手札であれば何でも構いませんが、一枚のカードを出さなければいけません。
ひとたび数字カードが出されたら、プレイヤーができることは以下の二つにななります。一つ、より低い数字カードまたは旗印カードを出す。二つ、パスをする。パスをしたプレイヤーは、そのトリック中はもうカードを出せません。
カードを出すという行為は、様々な階層の住民の間で起こる、権力を巡る闘争を象徴しています。このゲームは奴隷の叛乱を扱っているので、低いカードが強いのです。
どのプレイヤーも、現在のトリックにおいて出されたカードを確認できます。このトリックにおいて誰かが出したカードが、そのプレイヤーの次の手番が回ってきた時点でなお最強カードである、という状況になるまで、トリックは継続します。これはつまるところ、他のプレイヤーが全員パスすることでトリックが終了するということを示しています。
最終的に一番低い数字カードを出したプレイヤーがこの蜂起において勝利したということになり、トリックの全てのカードを獲得します。これは、一番低い数字カードの後に旗印カードが出されていた場合でも変わりません。この場合でも、トリックのカードは最後の数字カードを出したプレイヤーのものになります。この勝ち残ったプレイヤーは、獲得したカードを裏にして、独立した山にして自分の前に置きます。
時計回りに見て勝者の次に位置するプレイヤーが、手札から任意のカードを出して新たなトリックを開始します。この方法により、全てのプレイヤーがゲーム中に同じ回数の手番を行うことになります。
同じ方法で、以降の各トリックを行っていきます。得点精算のために、勝ち取った各トリックはそれぞれ別個に積んでおくよう気を付けてください。
ゲームの終了と精算
誰か一人が手札を出し切ったら、ゲームは終了します。その時のトリックは、その時点までで最も低い数字カードを出したプレイヤーのものになります。最後のトリックに旗印カードしか出されていなかった場合、このトリックは誰のものにもなりません。
ここで得点計算が行われます。各プレイヤーはトリックによって獲得した得点を合計します。個々のトリックにおける数字カードの値を足し合わせます。旗印カードは一枚入っているごとに、そのトリックの合計の価値を倍にします。従って、旗印カードが二枚入っていれば四倍に、以下同じように計算します。これらの得点は、メモ帳の各プレイヤーの欄に記載しておきます。
手札に残したカードの値は、プレイヤーの総得点から減算されます。手に旗印カードを持っていたら、そのプレイヤーへの罰符が同様に二倍されます。
合計点の最も高いプレイヤーがゲームに勝利し、奴隷蜂起の成功を決定付けることとなります。
シリーズ
「スパルタクス」は時間のかからないカードゲームで、繰り返し遊ぶのに適しています。ローマ革命の時代は、連続的に起こる叛乱の繰り返しとして見ることもできるのです。
この場合、個々のゲームの得点を続けて記録していきます。連戦の終了時に、得点総計が最も高いプレイヤーが勝利します。
旗印カードをジョーカーとして使う
直前に出されたカードより少しだけ低いカードが常に存在するように、旗印カードの機能を変更してジョーカーとして使っても構いません。これで1は、自動的にトリックを獲得できるゲーム最強のカードではなくなります。ジョーカーは別の既に出されたジョーカーよりもさらに強い切り札として働きます。トリックは最後に出されたカードが持っていきます。それが旗印カードであったとしても。
ジョーカーは非常に強力なカードです。しかし、最後の精算時にはジョーカーは得点になりません。また、トリックの中身あるいは手札の中にジョーカーが一枚入っているごとに、10点が減点されるようにするということも可能です。ジョーカーの入ったトリックは全て無価値になるとすれば、ゲームはさらに過激なものとなるでしょう。少なくとも良いトリックを手に入れるための新しい戦術が必要になります。
旗印カードを使わない
別の変化形としては、ゲームから旗印カードを取り除くというものがあります。こうするとトリックの価値が早く見積もれるようになるので、ゲームの予測可能性が高まります。ですがここでは、多くの犠牲を払うことなく相手を抑えるために、出すべき正しい値のカードを見いだす必要が生じてくるのです。
法廷 Tribunal
4-7人用/60分
ゲーム盤、カード、ポーン6色×1個、カウンター8個+7個、チップ
ローマにおいて感情を呼び起こすものといえば、大規模な公判手続きに匹敵するものは他にありません。著名な人物の告発や弁護を手がければ、雄弁家として誉れを得ることができました。法は無償の弁護を規定していたのですが、このような法的責務の持つ金銭的利益は見落とされませんでした。最も高潔な人々の間ですら、贈り物や賄賂は珍しいものではなかったのです。
「法廷」は、裁判愛好者のためのゲームです。この本の中でも特に大規模なゲームであり、一定のゲーム経験を前提としています。
このゲームは我々を公判手続きの舞台に誘います。各プレイヤーは始めに、様々な集団に属している、刑事被告人を表すカードを受け取ります。毎ラウンド、ひとつの集団の有罪または無罪が決定されます。プレイヤーは順番に、弁論を行ったり金銭の支払いを申し出たりして、依頼人の支援を行います。自分の被告を無罪にした者は、たくさんの贈り物を受け取れるのです。逆に有罪となれば、司法から科料を命ぜられます。最も金銭を得たプレイヤーが勝利となります。
用具
ゲーム盤に加えて、五色それぞれ3から7まで及び10のカードを使います。また、五色それぞれのポーンひとつずつと、それに黒のポーンもひとつ必要です。
プレイヤーが四人しかいない場合は、四色しか使いません。紫のカードとポーンはゲームから外します。
加えて、人数分の青と赤のカウンター、さらにもう一つ追加で青のカウンターが必要になります。青のカウンターは票決カウンターと呼ばれ、赤のカウンターは追加カウンターと呼びます。最後に、チップがいくらか必要です。
準備
ゲーム盤を広げます。盤の中央に、二皿の秤があることが確認できるでしょう。片方の皿には「有罪(schuldig)」と、もう片方には「無罪(unschuldig)」と書かれています。五色のポーンと(青色の)票決カウンター一個を、盤の上辺の"Iustitia"(ユスティティア:ローマ神話における正義の女神)と書かれた場所に置きます。
どのプレイヤーも、それぞれ(青色の)票決カウンターと(赤色の)追加カウンターを一個ずつ受け取ります。さらに、各プレイヤーは初期資産としてチップ20(額面20相当のチップ)を受け取ります。残りのチップで銀行を形成します。
カードをシャッフルして、各プレイヤーに四枚ずつ配ります。プレイヤーを一人選び、そのプレイヤーには追加で二枚のカードを配ります。このプレイヤーは六枚の中から二枚選び、左隣のプレイヤーに裏を向けて渡さなければいけません。これを承けて手札が六枚となったプレイヤーも、同じ手順を繰り返します。手札を二枚交換する機会が一巡りするまでこれを続けます。最後に残った二枚のカードは、余りのカードと一緒に伏せて脇に置きます。
この時点で各プレイヤーは四枚ずつカードを持っていますが、これはゲームの終わりまで持ち続けます。3から7までの数字のカードは、プレイヤーが弁護しなければならない依頼人を示します。10のカードを持っているプレイヤーは、その色に対する訴追者になります。
ゲームの流れ
各プレイヤーは、自分の持っている3から7までの数字カードに対応する色が無罪を獲得できるように働きます。弁護が成功すれば報酬のチップが与えられますが、有罪の採決は損失を生みます。プレイヤーが10のカードを持っていたら、全ては逆になります。この場合、持っている10のカードに対応する色に有罪判決が出るよう働くことになり、評決が黒となれば報酬を受け取れます。
ゲームは個々の裁判を連戦していくことによって成り立っています。各裁判の議長はそれぞれ異なるプレイヤーが務めます。最初の裁判の議長を務めるプレイヤーを選びます。それ以降は、議長の座を時計回りに交代していきます。進行中の審理の議長を務めるプレイヤーの前に、黒のポーンを置いておきます。
議長は裁判を司り、議論のひとつひとつが適切な時間内で収まるよう、場の秩序を維持します。各裁判は五つの段階によって構成されます。
一、色の選択
どの色を裁判に掛けるか、議長がひとつ選びます。主張をしたりチップを払ったりして、議長の選択に他のプレイヤーが影響を及ぼしても構いません。議長は"Iustitia"の場所に置かれているどのポーンでも選ぶことができます。議長がポーンを秤の中央の円のところに置き、手を離したら、色の選択は確定となり、覆すことができなくなります。
二、一般投票
裁判の始めに、告発を受けた集団、つまりは先ほど選択された色のことですが、この集団の有罪無罪をめぐる一般投票を行います。プレイヤーはそれぞれ票決カウンターを両手で握ります。片方の手で拳をつくり、その拳を中央に出します。そして、全員の拳を一斉に開きます。
拳の中に票決カウンターを握っていたプレイヤーは、有罪の投票をしたことになります。拳の中が空であれば、無罪に投票したことになります。この投票が実施されるより前の段階では、議論を行うことは許されません。
投票でどちらが多数派だったかに応じて、開始時点で"Iustitia"の場所に置かれていた票決カウンターを、「有罪」あるいは「無罪」の皿に動かします。有罪無罪が同数だった場合は、"Iustitia"の場所に置いたままにします。
投票が全員一致であった場合、あるいは六人ゲームや七人ゲームにおいては少数派の票が一票しかなかった場合は、一般投票が以降の審理を全て先取りしてしまうことになります。有罪あるいは無罪はこの時点で決定となってしまい、これ以上の審理は不要になります。
しかし普通はそういうことにはならず、裁判は続行されます。
三、弁論の順序
裁判が一般投票で結審しなかった場合、プレイヤーはそれぞれ弁論を行います。各プレイヤーの弁論を行う順序を時計回りにするか反時計回りにするかを議長が決定します。議長の弁論が最後になるように、議長の隣のプレイヤーから弁論を行います。
ここでもまた、議論とかチップの支払いによって、議長の決定に影響を与えることができます。議長は自らの決定を、黒のポーンを自分の右か左かに置きそして手を離すことによって示します。この時点で、決定を覆すことができなくなります。
四、弁論の遂行
定められた順番に従って、それぞれのプレイヤーが弁論を行います。弁論とは、自分の票決カウンターを「有罪」または「無罪」の皿に置くことを指します。
裁判におけるこの段階が、ゲームの肝になります。プレイヤーは自分の弁論の手番に、自らの弁論について他のプレイヤーと議論することができますし、また良くできた議論であるとかチップの支払いによって弁論を左右されても構いません。自らの票決カウンターを片方の皿に入れそして手を離した瞬間に、プレイヤーの弁論は確定となり覆せなくなります。
票決カウンターをいずれかの皿に置く代わりに、まだ弁論を行っていない別のプレイヤーに自らのカウンターを譲り渡しても構いません。これは、弁論を行う権利を後続の他のプレイヤーに委譲することを意味します。多くの場合は、弁論の権利を引き渡す前にチップのやりとりが行われるでしょう。カウンターを手渡した時点で、手番は終了となります。
各プレイヤーはゲーム全体を通じてそれぞれ一度だけ、自分の追加カウンターを使用できます。追加カウンターは自分の手番中、まだ票決カウンターを置く前にのみ使用できます。
そのような状況であれば、プレイヤーは自分の追加カウンターを、どちらかの皿に入れることができます。追加カウンターは通常の票決カウンターと同じように数えます。裁判が終わったら、使用した追加カウンターはゲームから取り除かれます。
あるいは追加カウンターを他のプレイヤーに、通常はチップを見返りにして、渡してしまっても構いません。
プレイヤーは弁論を行う際、所有しているカウンター全部を使用できます。票決カウンターを二個以上自分の管理下に置いている場合は、その全てを使用しなければいけません。使用するというのはつまり、皿に入れるか、一部または全部を後ろのプレイヤーに渡すかです。票決カウンターを後の裁判のために取っておくことはできません。
繰り返しになりますが、いま弁論を行っているプレイヤーだけが、カウンターを秤に置いたりカウンターを他のプレイヤーに渡したりできるのです。自分の持っている最後の票決カウンターを置いた瞬間に、プレイヤーの手番は終了となります。他のプレイヤーは票決カウンターや追加カウンターを動かしてはいけません。ですがチップの支払いを申し出ることはできます。
申し出たチップは、弁論の終了後直ちに支払わなければいけません。それ以外の約束事に拘束力はありません。ローマの弁護士はたいへん「柔軟」でした。"Caveat emptor!"(買い主は注意せよ)とローマ人が述べたのは、理由のないことではないのです。
五、評決
全てのプレイヤーが弁論を行ったら、両方の皿について票決カウンターと追加カウンターの数を数えます。より多くのカウンターが置かれている皿によって、最終的に告発を受けた色に有罪または無罪の評決が下されます。評決が下された色に対応するポーンを、下された票決の皿の下方に用意されている場所に置き、ゲーム終了までそのままにしておきます。
どちらの皿にも同じ数のカウンターが入っていた場合、ポーンは再び裁判に掛けられ得る "Iustitia" の場所に戻されます。
皿に載っている追加カウンターは全てゲームから取り除きます。プレイヤーはそれぞれ再び票決カウンターを一個ずつ受け取ります。残った票決カウンターは、 "Iustitia" の場所に戻されます。そして、黒のポーンを時計回りに、次の議長のところに移動させます。新たな裁判を始めます。
ゲームの終了と精算
ゲームは全てのプレイヤーが一度ずつ裁判の議長を務めた後に終了となりますが、あるいはもっと早く、全ての色に有罪判決なり無罪判決なりが下された場合も終了します。
ここで全プレイヤーは自分の手札を公開し、そして精算を行います。
無罪判決が下された色の3から7までの数字カード一枚につき、カードを持っているプレイヤーは、カードの数字に対応した額のチップを弁護成功報酬として銀行から受け取ります。有罪判決が下された色の場合は、カードの数字だけの額を銀行に支払わなければいけません。
10は告発者を表し、従って利益と損失は逆になります。有罪判決が下された色の場合、10のカードを持つプレイヤーは銀行から10チップを受け取ります。無罪判決なら、10チップを銀行に支払います。
判決まで行かなかった色については、対応するカードの査定は行われません。
最終的に最も多くチップを持っていたプレイヤーがゲームに勝利します。法務官への出世街道に立ちはだかるものはもはや何もありません。
上訴
古代ローマでは、法廷で上訴を行える可能性はありませんでした。それでも上訴ありとする仮定を置くことで、面白い変形ルールを引き出すことができます。
この変形ルールでは、全ての色に対する裁決が出るまでゲームを続行します。その後、次に議長となる順番のプレイヤーはひとつ色を選び、新たに裁判を行うよう求めることができます。ただし、この特例のためには5チップを銀行に支払わなければいけません。上訴を行いたくないという場合は、次のプレイヤーに上訴の権利が移り、以下同様になります。上訴が認められるのはゲーム中一回だけです。この一回の上訴が結審した時点で、ゲームは終了となります。
誰も上訴のために出費したくないと言うのであれば、ゲームは即座に終了します。
どの色を上訴するかという議論は、上訴の権利を持つプレイヤーにとって大変な利益になります。そこに損失を避ける機会を見るプレイヤーもいるでしょうし、成功による利益を失うことに怯えるプレイヤーもいるでしょう。
ここでは、ゲームの本当の最後まで、誰も自分の依頼人が確実に無罪放免になったと確信できません。緊張感が増します!
追放
議長の座にあるとき、多くはその裁判における影響力を用いて、自らの最も強い色の無罪を確実にし、大いに稼ごうとするでしょう。以下で述べる可能性、罪人を追放するという可能性ですが、この可能性は上記のような誘惑に匹敵する儲け話になります。
有罪確定の際、議長は判決が下された色を追放することを宣言できるようになります。当然ここでも、良い議論であるとか、もっと言えば、チップの支払いによって、影響を及ぼすことが可能です。
議長が追放を宣言する際、当のポーンをゲーム盤左隅に置き、手を離した時点で決定は覆せなくなります。このポーンはゲーム終了時までそこに置いておきます。
追放された色は、ゲーム終了時に得点を記録する際、数に入れられません。従って、追放は有罪判決を無力化するものということになります。これは一部のプレイヤーにとっては非常に価値あるものです。他方、成功した告発者のほうは、金になるような反論を行ってくれるでしょう。ローマ人の言ったように、"Pecunia non olet", 「金は臭わない」のです。
カテリーナの陰謀 Die Verschwoerung des Catilina
3-5人用/45分
カード、メモ帳五人分
カテリーナの陰謀は、ローマ革命期における共和制の崩壊過程を示す一例です。紀元前64年の執政官選出選挙でキケロに敗れたカテリーナは、政変を企てました。しかしこの企みは表出し、そして前63年の11月8日、カテリーナも出席する元老院で、キケロは秘密にしていた計画を明らかにしました。カテリーナは追放処分となり、陰謀の主導者は罪状が暴かれ有罪判決を受けました。
以下に記す推理ゲームは、カテリーナの陰謀を暴き出す過程を再現するものです。カードはこの時代の様々な著名人を表します。反逆者はこの中にいるのです。カードはシャッフルして何枚か抜き取り、残りをプレイヤーに配ります。プレイヤーは互いに質問していくことで、抜き取られたカードとして示される陰謀者を特定しようと試みます。論理的な推論を導くことが、成功への鍵となります。陰謀者全員を最初に正しく特定し、宣言したプレイヤーがゲームに勝利します。
用具
五色それぞれ1から6までのカードを使用します。加えて、各プレイヤーにメモ帳と鉛筆がひとつずつ必要です。
準備
はじめに、30枚のカードを各色毎に分けて、五つの山にします。それぞれの山を別々にシャッフルして、そのあと各山からカードを一枚ずつ抜き取り、伏せて脇に置きます。この各色一枚ずつ抜き取ったカードが、陰謀者となります。残った25枚のカードは一緒にシャッフルします。
三人ゲームや四人ゲームの場合は、この時点でもう一枚余計に抜き取り、陰謀者を六人とします。この五枚ないし六枚の陰謀者カードはゲーム終了まで、間違いの無いように脇に退けておいてください。
残りのカードは各プレイヤーに同じ枚数ずつ配ります。全員自分のカードを手札に持ち、中身を見られることのないようにしましょう。そして誰から開始するか決定します。
陰謀者の捜索を開始する前に、各プレイヤーとも自分のメモ帳の上に情報シートを作っておくべきでしょう。結論を引き出すためにゲーム中集めた情報は、ここに記しておくことができます。また、これも重要なことですが、プレイヤーが自分のシートに書いた情報は秘密にしておきます。
情報シート
自分の情報シートは自分の好みに従って作りましょう。以下のシステムは効果的だとされています。
カードの数だけ枠を用意します。この枠の中に、対応するカードの情報を記録します。個々の数字を横列に組み、色は縦列に取ります。縦横各列の末尾には、その列の色や数値全体の情報を記すため、一つ余分に枠を作ります。全ての欄に、他プレイヤーを表す記号を記入します。
ゲームの流れ
プレイヤーは交替で質問を行っていきます。各プレイヤーは、特定の一色、あるいは特定のひとつの数字の有無について、質問を一つ行います。質問先は、以下に述べる二通りから選ぶことができます。
ひとつめの方法では、一人のプレイヤーに質問を向けます。質問を受けたプレイヤーは、質問に合致する手札を全て、裏を向けて質問者に渡します。同時に渡したカードの枚数を宣言します。質問者はカードの中身を調べることができますが、その後伏せて持ち主に返却しなければいけません。
もうひとつの方法では、質問を全てのプレイヤーに向けます。どのプレイヤーも、質問に合致するカードを持っているのであれば、そのうち任意に一枚選んで手渡します。合致するカードがない場合、そのことを全員に宣言してください。質問者はカードの中身を全て調べてから、所有者に返却します。
質問を行い、カードを受け取って中身を調べ、そして返却したら、次のプレイヤーが新たな質問を行う番になります。
情報シートへの記入
情報シートへの書き込みはいつでも行えます。前述したようなシステムを使う場合は、書き込みは以下のようになるでしょう。
ゲーム開始時に、情報シート上、自分が持っているカードの欄には大きく丸を付けます。同時に、その欄に書かれている記号は全て塗り消しておきます。
あるプレイヤーが、特定のカードを持っていないということが確実になったら、情報シート上の該当する欄にある、そのプレイヤーの記号を消します。逆に特定のカードを持っているとわかったなら、所有者の記号を丸囲みし、他の記号を全て消すことによって、その欄に印を付けます。
各縦列と横列に余計に付けられた枠には、それぞれの色または数字についての、各プレイヤーの目下確認できている所有枚数を記録しておきます。誰かの所有枚数が間違いなく立証されたら、その枚数を丸囲みして、それが真の所有枚数であることを示しておきます。
あるカードについて、誰もそのカードを持っていないという結論に達したら、陰謀者を発見したことになります。対応する枠全体を塗りつぶします。成功への一歩を踏み出したわけです。
告発とゲーム終了
ゲームの目的は、なるべく早くカテリーナの陰謀を暴くことです。全陰謀者カードの数字の合計を最初に正しく宣言できたプレイヤーが勝者になります。これを行うためには、各陰謀者を個別に決定していく必要があるでしょう。ですが、時間的余裕がない場合は推測によって告発することもあるでしょう。
プレイヤーはいつでも、告発を行うためにゲームを中断して構いません。告発者は、陰謀の容疑者のカード全ての数字の合計値を宣言します。個々の容疑者カードについて宣言する必要はありません。その後で告発者は陰謀者の山を手に取り、告発が正しいかどうか確認します。
告発が正しければ、告発したプレイヤーがゲームに勝利します。
しかし告発が誤りであった場合は、陰謀者の山を、元の伏せて置かれていた場所に戻さなければいけません。このとき、陰謀者に関する情報を公開してはいけません。ゲームはそのまま続行します。無罪のカードを誤って告発したプレイヤーは負けとなり、以降は質問も告発も行えなくなります。但し質問を受けることは可能です。"Si tacuisses, philosophus mansisses."(黙っていたなら、今なお賢く思われたであろうに)
告発を行っていない故に失格していないというプレイヤーが一人しかいなくなってしまった場合、そのプレイヤーは告発を行うことの無いまま自動的に勝利します。
カードを渡すことによる手札所有者の変更
調査終了時にカードを返却せず、質問をしたプレイヤーがそのまま持っておくことにすると、ゲームは全く違ってきます。この場合、直前の手番のプレイヤーが手に入れたカードの全てについて要求する、ということはできません。
各プレイヤーの所有するカードは絶えず変化します。ローマ市民は活動し続けるのです。これはあなたの論理学への新たな挑戦です。
個人の告発
この変形ルールでは、それぞれの陰謀者は単独で告発されます。ゲーム開始時に、最低十人の陰謀者を取り除いておきます。陰謀者を一人特定できたプレイヤーは、直ちに告発を行います。告発リストを記しておき、告発を受けたカードは、告発を行ったプレイヤーに独占的に割り振っておきます。
カードが十枚告発されたら、陰謀者を明らかにします。誤った告発を行っていたプレイヤーは全て敗者となり排除されます。残った中で、正しい告発を行った数の最も多いプレイヤーが勝者となります。
帝国 Imperium
2-5人用/10分
ゲーム盤、カード、ポーン5色×1個、チップ5色×14枚
西暦100年、トラヤヌス帝のもとローマ帝国の拡大は最高潮に達しました。帝国はブリタニアからエジプト、スペインからメソポタミアにまで及びました。ローマはその隆盛を極めていたのです。
「帝国」は、ローマ帝国の成り立ちをもう一度我々に見せてくれます。ラウンドごとに、プレイヤーは帝国の各地域にマーカーを配分していきます。毎ラウンド一地域の支配権が決定されます。長期間の発展をなおざりにすることなく、正しい時期に最大の影響力を発揮することが肝要です。
用具
ゲーム盤に加えて、各プレイヤーにそれぞれ一色ずつ、1から9の数字カードと二枚の旗印カード、ポーン一つとチップ14枚が必要です。チップは色が塗られた裏側をマーカーとして使用し、金銭的な役割は持ちません。
準備
ゲーム盤を広げます。ゲーム盤には九つの地域に分けられたローマ帝国が示されていて、各地域には1から9までの番号が割り振られています。また、0から30までの数字が振られた得点表もあります。
プレイヤーはそれぞれ自分のポーンを得点トラック上の0の場所に置き、各自のマーカー14枚を手元に置きます。全員、自分の色の1から9までの数字カード及び旗印カード二枚によって構成される手札を受け取ります。これでゲームを始められます。
ゲームの流れ
ゲームは八ラウンドに渡って行われます。各ラウンドはそれぞれ三つに区切られます。
最初に、各プレイヤーがそれぞれ三つの地域を選びます。続いて、選んだ地域それぞれにマーカーを置きます。最後に、一地域の支配権が解決され、それに従って得点が分配されます。
プレイヤーの得点は得点表に示されます。終了時点で最も多くの得点を獲得していたプレイヤーがゲームに勝利します。
1. カード選択
各ラウンドの開始時に、全プレイヤーは一斉に三つずつ地域を選びます。一人のプレイヤーが一ラウンドに同じ地域を二度以上選ぶこともできます。
地域の選択は、それぞれのプレイヤーが、選んだ地域に対応する数字の書かれたカードを取り、各自の前に伏せて出すことで行います。
同一ラウンドに一つのエリアを三回選びたいというプレイヤーは、対応する地域のカードと一緒に旗印カード二枚を出す必要があります。あるひとつの地域を一回と別のもうひとつの地域を二回選びたいというプレイヤーは、旗印カードを一枚、どちらの地域に用いるのか明解に示せるような形で、使用する必要があります。
全員が過不足無く三枚ずつカードを出したら、カードを一斉に公開します。
2. マーカーの配置
全員が出した三枚のカードを開いたら、対応する地域に各自のマーカーを置きます。プレイヤーはそれぞれ順番に、自分のマーカーを三つ取って選んだ地域に置きます。全員が状況を把握できるように、マーカーを置くときにそれぞれの数字を宣言してください。マーカーが足りなくなったプレイヤーは、選んだ地域に全てにはマーカーを置けなくなります。後になってマーカーを余計に手に入れたとしても、置き損ねた地域に埋め合わせを行うことはできません。
3.一地域の解決
全プレイヤーがマーカーを盤上に置いたら、ラウンド数に対応する地域の支配権が解決されます。つまり、第一ラウンドの終了時には第1地域が解決され、第二ラウンド終了時には第2地域が、となっていきます。但し、第8地域と第9地域は両方とも最終(第八)ラウンドに解決します。
解決する地域に置かれたマーカーの数を数えます。最も多くマーカーを置いていたプレイヤーが、地域の番号と同じだけの得点を獲得します。このプレイヤーのポーンを相当数進めて得点を表示してください。二番目に多い数のマーカーを当の地域に置いていたプレイヤーは、この地域に書かれた二番目の数字と同じだけの得点を獲得し、三番目のプレイヤーは三番目の数字と同じ得点、以下同様に処理します。
地域に書かれた数字に対応した得点を全て授与し終わってしまったら、残りのプレイヤーは得点無しということになります。ここで重要な決まりがあります。地域の解決時に、最弱のプレイヤーには得点が全く与えられません。地域内に全てのプレイヤーが存在していた場合は、マーカーの数が最も少ないプレイヤーが最弱です。一方、地域内に存在していないプレイヤーがいた場合は、そのプレイヤーが最弱となります。
同点の場合、同じ数のマーカーを置いていたプレイヤーが二人の場合は、双方が一段下の数字を得点します。とりわけ、弱いプレイヤーの間で同点が発生した場合は、両方とも一点も貰えないという事になってしまいます。
三人以上が同点になった場合、そのグループ内で属しうる最も低い順位の得点を受け取ります。
地域が解決されたら、全てのプレイヤーはその解決された地域から自分のマーカーを取り戻します。これでラウンドは終了となります。各自が出したカードは全て手札に戻します。そして次のラウンドが始まります。
ゲーム終了と勝利条件
八ラウンドを行い、全ての地域の解決が行われたら、終了となります。得点表のポーンを最も先まで進めたプレイヤーがゲームに勝利し、ローマ皇帝となります。
30点ゲーム
ふつう、ゲームの勝者の得点は30点をだいぶ下回ります。変形ルールとして、誰かが最初に30点を獲得し勝利するまで、ゲームを続けるようにすることも可能です。
この場合、ゲームは八ラウンド以上続くことになります。従って、第八ラウンドでは第8地域のみ考慮し、そのあと第九ラウンドで第9地域の得点が与えられます。それが終わったら、また一から繰り返します。但し、第十ラウンドでは第1地域と第2地域を両方解決します。第十一ラウンドでは第3地域を、第十二ラウンドでは第4地域を、以下同様に解決していきます。
こうなると、第七、第八、第九ラウンドでは、支配権獲得のために小さい地域を再び考慮に入れることになります。しぜん、中くらいの地域がすぐその後に魅力的になってきます。しかるに、ここで新たなリスクと緊張感がプレイヤーに突きつけられます。ゲームが終わるのはいつなのでしょうか、そして得点処理がなされないまま残ってしまうのはどの地域なのでしょうか?
近衛兵 Die Praetorianer
2-4人用/10分
ゲーム盤、カード、ポーン4色×1個
ある時、皇帝個人の護衛のため、近衛兵が組織されました。政治の中心に近い近衛兵は、政治事件において重要な要因となりました。とりわけ危機の時代においては、近衛兵は皇帝の打倒および擁立に関して、決定的な役割を果たしました。3世紀の動乱において、ローマは28人の軍人皇帝を見ることになりましたが、そのうち自然死を迎えたのはわずか一人でした。
このゲームでは、軍人皇帝時代における権力闘争を扱います。カードは対立する二陣営の影響力ある近衛兵および指揮官を表します。プレイヤーは何枚かカードを引きます。目的は、可能な限り多くの組み合わせを集めて、時機を逸することなく軍団を支配することです。力に飢えたプレイヤーが拡大に走りすぎ、二陣営の間に入り込んでしまうと、影響力は瞬時に消えてしまうでしょう。新たな皇帝になるのは誰でしょうか?
用具
ゲーム盤に加えて、五色それぞれ1から10の数字カードを使用します。また、赤、紫、青、緑の旗印カードも一枚ずつ必要です。さらに、各プレイヤーそれぞれに一つずつ色つきのポーンが必要になります。
準備
ゲーム盤を各プレイヤーの間に広げます。0から99まで数字が打たれたマスが示されています。手番の順を決めてください。最初のプレイヤーは自分のポーンを0のマスに、二人目は3に、三人目は6に、四人目は9のマスに置きます。これが近衛兵の支持を巡る争いにおける、各プレイヤーの開始位置になります。次の皇帝になるためには、九十九番目のマスに到達しなければいけません。
全ての数字カードをシャッフルし、ゲーム盤の側に裏を向けて撒き散らします。赤と紫のカードが一陣営に属し、青と緑のカードがもう片方の陣営を組んでいます。黄色のカードは中立です。
対立する両陣営に属する色の組み合わせがすぐ思い出せるように、赤と紫の旗印カードを盤の一端に置き、青と緑の旗印カードを反対の端に置きます。旗印カードは他には意味を持ちません。
ゲームの流れ
手番を順繰りに進めていきます。手番のプレイヤーはカードを一枚一枚めくっていき、自分の前に表にして置きます。
一つの陣営および中立のカードのみをめくっている限りは、手番プレイヤーは好きなときに自分の手番を終えて、めくったカードの価値を確保することができます。あるいは続行してさらにカードをめくっても構いません。
両方の陣営のカードをめくってしまったら、両陣営の板挟みになり、手ぶらで去る羽目になります。
手番ごとの得点計算
プレイヤーは手番を終えた時に、一つの陣営および(あるいは)中立のカードだけを持っているのであれば、めくったカードの数字を全て足し合わせ、その数字だけ自分のポーンを進めます。この場合プレイヤーは近衛兵と指揮官を何人か、首尾良く説得して自分の側に引き入れたことになります。
両方の陣営のカードをめくってしまった瞬間に、プレイヤーは近衛兵の対立の渦中に立たされてしまい、影響力を失います。手番は即座に終了してしまい、ポーンを進めることはできません。
いずれの場合も、めくったカードは脇に退け、裏にして、捨て札の山にします。そして、次のプレイヤーが自らの運を試す番になります。
特別得点
既にめくられたものと値が一致するカードを、同じ手番中にめくった場合、直ちにそのカードの値だけ自分の駒を進めることができます。カードの陣営は考慮しません。この得点は、手番がどのような形で終了するかに関らず受け取れます。値の一致した二枚のうち後にめくったほうのカードは、即座に捨て札にします。その後、手番を通常通りに続行します。
ゲームの終了
誰か一人が99点目のマスに到達あるいは通過したら、その時点でゲームは終了します。このプレイヤーが勝利し、新しいローマ皇帝になります。
ゲームが終わるより前に全てのカードをめくってしまった場合、捨て札をシャッフルしてもう一度まき散らし、ゲームを続行します。
12マス後退
12を五枚入れることによって、ゲームに別種のひねりを加えることができます。12は全て中立のカードです。12をめくったプレイヤーは、これを自分で持っておくことはできず、その代わり、これを直ちに他のプレイヤーに渡さなければいけません。渡されたプレイヤーは自分のポーンを12マス戻します。その後で、12のカードは捨て札になります。
商人 Mercator
3〜7人用/20分
ゲーム盤、カード、ポーン7色×1個、チップ
帝政初期に、ローマの貿易は絶頂期を迎えました。様々な商品をローマに供するため、貨物船が地中海の貿易港の間を疾走しました。
「商人」において、プレイヤーはそれぞれ商船の船長に扮します。商品を船に積み込むために、全ての船がとある港で一堂に会したのです。カードはシャッフルして、商品を表すのに使います。毎ラウンド、いくつかの商品が売りに出されます。それぞれのプレイヤーは最高の商品を最も有利な価格で手に入れようと試みます。最大の収益は、最も値打ちのある貨物を本国へ持ち帰った船の得るところとなります。
用具
ゲーム盤は必須ではありません。ですが0から59までの数字が打たれたゲーム盤を使えば、うつろいゆく状況の概観を得やすくなるでしょう。「近衛兵」のゲーム盤上部がこの目的に適しています。
加えて五色それぞれ1〜10のカードが必要です。カードは商品を表します(カードに描かれた人間が商品だと勘違いしないようにしてください)。また、各プレイヤーにはそれぞれ異なった色のポーンが一つずつ必要になります。最後に、チップも使用します。
準備
ゲーム盤を広げます。全てのプレイヤーは自分のポーンをゲーム盤の隅の0のマスに置きます。各プレイヤーは初期資本金としてチップを50点分ずつ受け取りますが、ゲーム中自分の資金の量は隠しておきます。誰から始めるか決めます。
50枚のカード全てをシャッフルします。ですがこのうち使うのは一部のカードだけで、その枚数はゲーム人数によって決まります。次の表に、ゲーム開始時に山札としてゲーム盤の脇に伏せて積むカードの枚数が示されています。残りのカードは全てゲームから取り除きます。
プレイヤー:3/4/5/6/7
カード枚数:24/32/40/45/50
ゲームの流れ
各プレイヤーは時計回りに手番を行っていきます。手番のプレイヤーは最初に山札から一枚めくります。もし望むなら二枚目を、更には三枚目でも、めくることができます。めくったカードは現時点で市場に出ている商品であり、ここでこれらのカードは一組になって競りにかけられます。めくられた全てのカードは一緒に競られます。ひとまとまりのうち一部だけを買うということは不可能です。競りが終わったら、次のプレイヤーが次の組をめくって、この手順を繰り返します。
カードの競り
それぞれのプレイヤーは、売りに出された商品に対してどれだけの値を付けるか決め、決めただけのチップを拳に握ります。拳の中に何も入れなくても構いません。
全員の準備ができたら、全てのプレイヤーは拳を同時に開き、各自の競り値を宣言します。最も高い競り値を付けたプレイヤーが、競りの対象であるめくられたカードを受け取り、競り値相当のチップを銀行に支払います。カードを表にして自分の前に広げることにより、商品を自分の船に積み込んだことを示します。最後に、カードの値を合計して、値のぶんだけ自分のポーンを前進させます。
二人以上のプレイヤーが同じ価格で最高値を付けていた場合、手番プレイヤーの左から時計回りに優先権があります。カードをめくったプレイヤーは末席として扱われ、このような状況では常に負けます。
全てのプレイヤーが拳に何も握らないことを選んだ場合、これは明らかに誰もその商品に興味を持っていないということです。カードは裏返され、ゲームから取り除かれます。
船の積載量
ゲームの中で、プレイヤーはたくさんのカードを集め、船にはそれらの商品が積載されるでしょう。ポーンは商品を集めるたびに、積荷の合計価値を常に示しながら、ゲーム盤上を先へと進みます。これはゲーム進行の良い目安になります。
船には商品六品ぶんの積載量があります。誰も六枚をこえてカードを所有することはできません。いったん取得した商品を返却することはできません。競りに出ている一揃いの商品を獲得すると上限を超えてしまうというプレイヤーは、その競りには参加できません。
カードをめくるときは、少なくとも誰か一人が競りに参加できるような枚数しかめくれません。
六枚のカードで船が満杯になったプレイヤーは、そこから先のゲームには参加できません。新たな商品をめくることも、競りに加わることもできなくなります。
競りの終了
一人を除く全プレイヤーの船が満杯になったら、残った一人は必ず、自分の船を満杯にするだけのカードを山札から引いていき、これを無料で獲得します。新たに引いてきた商品のいずれについても、これを拒否することはできません。これで競りは終了となります。
まだ何人かの船が満杯になっていないという場合でも、山札が尽きたら競りはやはり終わりになります。この状況に対処するために、プレイヤーは山札の残り枚数を数えることができます。
貨物の売却
競り終了時において、ゲーム盤上のポーンの位置は、各船の貨物の最終的な価値を示しています。最も価値ある船荷を持ったプレイヤーは、ローマで自分の商品を売却してチップを一番多く受け取ります。二番目のプレイヤーはそれより少ないチップを受け取り、以下同様に続いていきます。下の表に、支払われる額の詳細があります。貨物の価値はプレイヤーの人数によって変わることに注意してください。
同点の場合は、チップを足し合わせて、同点になっているプレイヤー全員で等分します。
プレイヤー人数/3/4/5/6/7
1位/30/30/40/50/60
2位/15/20/30/40/50
3位/- /10/20/30/40
4位/- /- /10/20/30
5位/- /- /- /10/20
6位/- /- /- /- /10
ゲームの終了
全ての貨物を売却したら、ゲームは終了します。最も裕福な商人の勝利となります。
シリーズ
何ゲームか連続して行い、ゲームごとにチップを全部合計していくということもできます。終了時に最も裕福だったプレイヤーの勝利となります。
色ボーナス
同意の上で、六枚のカードの中に五色全てが含まれていた場合、積んだ船荷の価値は十点だけ追加されるとしても構いません。消費者は幅広い商品を扱う商人を好むものです。
公開競り
特にプレイヤー人数の多い場合は、声で値付けを行う競りにするのもよいでしょう。「他にいらっしゃいませんか、他にいらっしゃいませんか」というように。最高値を宣言したプレイヤーが品物を受け取るのです。こうすると全く異なったゲームになります。趣が異なりますので、好みのルールを選んでください。
大競技場 Circus Maximus
2-5人用/45分
ゲーム盤、カード、カウンター5色×3個
戦車競走はローマではとりわけ人気がありました。円形の大競技場は、喚き喝采しながら競走を観戦する二十万もの観客を収容できました。馭者は色分けされたチームに分けられました。彼等の中には無数の競走を闘った者もいました。最も成功した者は、人々から英雄として崇められました。勝利の報奨は途方もないものでした。しかし危険も大きく、多くの者がその勇気の代価に命を失いました。
「大競技場」では、プレイヤーはそれぞれ戦車三乗によるチームを操ります。プレイヤーは全員五枚の走行カードを受け取り、これを個々の戦車に好きなように割り振ります。最初に自分の戦車三乗全てにゴールラインを割らせたプレイヤーがゲームに勝利し、大衆の称賛を浴びます。
用具
ゲーム盤を使用します。加えて、プレイヤーはそれぞれ一色、値が1〜5のカードを受け取ります。また同じ色のカウンターを三つずつ受け取ります。
準備
ゲーム盤を広げます。古代ローマの大円形競技場が描かれています。競走路の一角に、明色で示された開始位置が15マスあります。プレイヤーはそれぞれ五枚の手札を受け取り、自分の前に一列に晒します。また、自分の色の戦車を表すカウンターも三つ受け取ります。
戦車の整列
第一ラウンドの開始プレイヤーを選びます。各プレイヤーは時計回りに、空いている開始位置を一マス選んでそこにカウンターを置きます。そして第一ラウンドの最終プレイヤーから第二ラウンドを始めます。ここでは二つ目のカウンターを、第一ラウンドとは逆の順番で置いていきます。第三ラウンドも同様に、第一ラウンドと逆の順番で行います。そして競走が始まります。
ゲームの流れ
プレイヤーの目的は、自分の戦車三乗に競走路上を時計回りに走らせて一周させた後、盤中央にある明色で示されたゴール位置のうちの三つのマスに乗せることです。ゴール位置から馭者は輝かしき皇帝に拝礼を行い、そして競走に勝利します。
ゲームは何ラウンドかに渡って行われます。毎ラウンド、三乗の戦車全てが移動し、五枚全ての走行カードが使われます。プレイヤーはそれぞれの戦車にどの走行カードを使うか決めなければいけません。
各ラウンドにおける移動の順番は、戦車の位置に基づいて決まります。前を行く戦車が常に、後続の戦車よりも先に移動します。
移動の順序
各ラウンドの正確な移動順を決めるため、競走路を四つに分けます。長い直線の領域がふたつと、その二直線を繋ぐ暗色の継ぎ目領域が曲がり角にふたつ、以上の四領域です。
最初に、首位の走者を含む領域にいる戦車が移動し、次に、それに続く領域の戦車が移動し、以下同様に全ての戦車が移動するまで続けます。
長い直進路においては、一番前にいる戦車が最初に移動します。いくつかの戦車が同一線上に並んでいるとか、あるいはいくつかが同じ継ぎ目領域上に並んでいるという場合は、より中央に近いほうの戦車が先に移動します。
戦車の移動
自分の操る戦車が移動する順番になったら、プレイヤーはどの走行カードをその戦車に割り振るか決めなければいけません。
これを行うには、まず自分のカードの列から一枚選んで自分の側に引き寄せます。続いて選んだカードの数字ぶんだけ、一マスずつ声をあげて数えながら、戦車を動かします。戦車はどの方向にでも動かせますが、しかし必ず直進しなければならず、また空いているマスしか通過もできません。カードに書かれている移動歩数は使い切らないといけません。
このあとプレイヤーは二枚目のカードと、あるいは三枚目のカードも選び、同様の処理を繰り返すことができます。戦車一乗につき最大で三枚のカードを使用できるのです。移動の方向はカードごとに変えることができます。逆進しても構いません。
この戦車の移動を終えたら、使用したカードを全てひっくり返します。従ってこれらのカードは伏せた状態になります。それぞれのラウンドにおいて、一枚のカードは一乗の戦車に対してしか使えないのです。
そして移動順が次に来る戦車のプレイヤーがそれを動かし、同様に続けていきます。
それぞれの戦車には走行カードを最低でも一枚ずつ割り振らないといけません。従って、三乗目の戦車のために少なくとも一枚は残しておく必要があります。動かしたくないまたは動かせない戦車があった場合は、カードを一枚裏返さなければいけないのです。このときプレイヤーは、カードに示された歩数を全て使い切るか、あるいは一切使わないか、どちらかを選ばなければいけません。歩数を部分的にのみ消費するということはできないのです。ラウンド中に使用しなかったカードは捨て札になります。
次のラウンド
全員が自分の戦車三乗を移動させたらラウンドは終了となり、次のラウンドが始まります。プレイヤーはそれぞれ自分のカードを全て表に戻して、自分の前に一列に並べます。移動はやはり首位の戦車から始めます。ゲームの終了
全てのプレイヤーの目的は、自分の戦車三乗を競走路上で時計回りに走らせて一周させた後、ゲーム盤中央にある明色で示されたゴール位置、そのうちの三つのマスにそれぞれを乗せることです。
ゴールのマスには、薄いほうの境界線からしか進入できません。戦車がゴール位置のうちのいずれかのマスに到達したら、残っている歩数は廃棄され、そしてその戦車はそれ以上動けなくなります。以降のラウンドでは、この戦車にはカードを割り振りません。
自分の三乗の戦車全てを最初にゴール位置に乗せたプレイヤーが、ゲームに勝利します。他のプレイヤーは、ゴール位置が全て埋まるまで続けても構いません。そしてゲームは終了となります。
別の競走方法
複数のカードを使ったときであっても戦車の移動は途切れなく一直線でなければならない、という要求を容れると、ゲームは更に難しいものになります。二枚のカードの間で移動方向を変えたい場合は、カードを一枚余計に捨て札にしなければいけません。曲線上での移動は遅くなり、歩数の大きいカードは直線でしか役に立たなくなるでしょう。
6の数字カードをゲームに加えることもできます。ゲームはより速く動くようになり、そして慎重な考慮を要する新しい戦術的可能性が存在するようになります。
六枚の走行カードを使って、新しいルールを導入することができます。各戦車には走行カードをちょうど二枚ずつ割り当てなければいけない、というものです。こうなると戦車の速度はより一定し、そして後ろに下がった戦車が追いつくのは更に厳しくなります。