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原始針鼠計画
Project Urigel
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何の話かと言いますと、 Doris and Frank 社の "Igel Aergern" というゲームの話なのです。 Doris and Frank は Doris Matthaeus と Frank Nestel の二人がやってるインディペンデント系のボードゲーム会社で、「原始スープ (Ursuppe) 」や「ウルラント (Urland) 」などは日本でも入手可能です。会社の紹介も済んだところで本題の "Igel Aergern" の話に戻しますと、今回やろうとしていることは早い話がこのゲームのルールを弄ってみようということなんですけど、ただ困ったことにこのゲーム、 Doris and Frank 初期の代表作であるにもかかわらず日本ではどの店も取り扱っていないので知名度が極めて低い。従いましてこの企画というか文章、書いてみたはいいけども普段にもまして対象が限られ場合によっては誰一人として読者がいない、というケースも充分考えられます。

別に普段と大差ないという事実に気づいたので誰の目も気にせず話を続けることにします。なお "Igel Aergern" がどんなゲームかということについては、以前書いた紹介文がありますので再掲しておきます。

双六。第一レーンから第六レーンまであって、さいころを振って出た目のレーンにいる駒を前に動かす。それだけだとさすがにゲームにならないので、「他の駒に乗っかられると動けなくなる」「自分の駒はレーン変更可」「落とし穴に落ちるとビリになるまで動けない」が標準ルールとして付属。さらにオプションルールが40も付いていてその日の気分に 合わせて採用できます。

んで、面白かったのか? ということなのですが、残念なことに個人的にはあまりぴんと来なかったのでした。対象年齢八歳以上ということもあってか、要は双六なんでサイコロの目がゲームを支配することになっちゃうのはちょっと好きじゃ無いなあ、と。それで「もうちょっと何か無いか?」「変な特殊効果が欲しい」ということになりまして、 Doris and Frank といえば「原始スープ/ウルラント」、「原始スープ/ウルラント」といえば変な進化カード、じゃあ "Igel Aergern" にも変な進化カードを付けて Urigel にしよう(原始スープもウルラントも遊んだこと無いけど)、とこれだけ長い前振りを敢行した割にはとどのつまりはこれだけの話なのです。

では進化カードの選定に参りましょう。まずはゲーム付属の「選択ルール集 40 」から、使えそうなものをピックアップします。


4. Zusaetzliche Zugmoeglichkeit (Fizzy Lifting Hedgehogs)
このゲームでは一マスに二つ以上の駒が入ることができまして、その場合、後から来た駒は既にいた駒の上に重ねて置きます。そうすると、乗っかられてしまった駒(先にいた駒)は、上の駒がどかない限り動けなくなってしまいます。でもってこの選択ルールは、レーン変更フェイズに自分の駒が全部動けなくなってる場合、一番下に埋もれてる駒を引っ張り出して一番上に積み直していいよ、というルールになってます。

5. Turboigel I (Turbo Hedgehogs #1)
これは要するに振るサイコロの数が二つになるということです。このとき、動かす順番は「レーン変更」「前進」「レーン変更」「前進」の順になります。

6. Speicherwuerfei (Memory Dice)
これは他のゲームでも偶に見られるアイデアなんですが、あらかじめサイコロを一個振ってその目を「キープ」しておきまして、で自分の番でサイコロを振ったときに、今振って出た目と「キープ」しておいた目のどちらか好きな方を使ってよろしい、というルールです。使わなかった方の目は新たにキープされることになります。

8. Die Klammerungsvariante (The Sandwich Variant)
一つのマスにいくつかの駒が積み上がった状態ができあがるということについては先ほど説明したとおりですが、その積まれた駒のうち、一番上が自分の駒で、さらに下の方にも自分の別の駒が埋もれている、という場合があります。このとき、普通に一番上の自分の駒を動かす代わりに、上の駒から下の駒までサンドイッチ状に挟まれた駒を全て一度に動かしても良い(挟まれた駒は自分の駒でも他人の駒でも構いません)、という選択ルールです。

9. Das Spiel auf der Roehre (The Tube)
第一レーンと最終レーンを隣り合ったものとして扱うルールです。

10. Urigel (Urhedgehog)
落とし穴を無いものと見なすルールです。

11. Anarchoigel (Anarchohedgehog)
レーン変更させることができるのは通常は自分の駒だけなのですが、これを他人の駒を移動させてもよいとするルールです。

13. Draengeln (Jostles)
このルールでは、(落とし穴を除いては)一マスに入れる駒は一つだけとします。すでに駒がいる場所に新しく駒が入ってくる場合、前からいた駒は一つ先のマスに押し出されます(押し出された先にも駒がいた場合は、同じく前に押し出されます)。

31. Wuerfeln, vorwaerts, seitwaerts (Roll, forward, sideways)
通常はフェイズの順番は「サイコロ振る」「レーン変更」「前進」と決まっているのですが、このルールではレーン変更と前進を逆にするものとします。

32. Rueckwaerts (Backwards)
本来はこの選択ルール、単にゴールとスタートを入れ替えたコース設定をするというだけのもの(...だと思う...)なのですが、ここでは、駒をゴールと逆方向に動かしてもよいというルールにします。


ということでリストアップは終了。後はこれをどう配分するかというルールを決めることになりますが、この特殊効果一覧を見ると、その強さに極端な差が見受けられます。とするとカード枚数が均等になるように配るという手法は取れない。といってルールとしてカードごとのコストに差をつけるのも面倒だし、とすれば競りによってプレイヤー側で価値を定めてもらうのが(安易ではありますが)適当な方法と言えましょう。競りに使用する通貨は、 "Igel Aergern" はレースゲームというか双六ですから、素直に考えれば時間と言うことになります。また、進化カードが一旦誰かの手に渡ったらそれで終わりというのでは少々ゲームが硬直的に過ぎる感がありますので、弾力性を持たせるための方法として進化カードが再売買され得るようなルールを設定しておきます(競りと通貨のルールを入れている以上、進化カード再流通のためのルールとしてはこれが最も自然かと)。

進化カードの流通が起きるタイミングも考えておく必要があります。というのはあくまでこのゲームは双六なので、あまりにも流通が頻繁に起きるようだと主客転倒が発生してしまってあまりよろしくない。といって殆ど流通が発生しないようだとそれはそれで何のためにルールを追加しているのか解りません。とりあえずここでは、誰かが「6」を振ったら競りが行われる、ということにしておきます(ちょうど、1から5までしかレーンがないコースが用意されていることですし)。

以上をまとめてルール化してみます。


1:準備
・チップを大量に用意する。
・十枚の進化カードはどこか脇に(表を向けて)置いておく。

2:競りの発生
・手番プレイヤーは「6」を振ったら、その手番には駒の移動は行われず、代わりに競りが行われる。
・手番プレイヤーは進化カードを一枚選ぶ。選ぶカードは、誰かが所有しているものでも、誰の所有でもない(「銀行」の所有である)ものでも構わない。

3:銀行が所有する進化カードの競り
・手番プレイヤーの左隣から時計回りに、その進化カードの対価を(自然数で)宣言していく。この競りは一巡のみで、従って手番プレイヤーが最後に宣言を行うことになる。宣言を行う場合、他のプレイヤーが宣言している値より高い数字を宣言しなければならず、そうしたくない場合はパスをすることになる。
・最も高い数字を宣言したプレイヤーは、進化カードを手に入れ、また同時に、自分が宣言したのと同数のチップを銀行から受け取る。
・全員がパスをした場合、進化カードは銀行にそのまま置いておく。

4:銀行以外の誰かが所有する進化カードの競り
・指定された進化カードの所有者は、最低落札価格を(自然数で)宣言する。
・手番プレイヤーの左隣から時計回りに、手順3と同様の方法で競りを行う。但し、最低落札価格未満の数字を宣言することはできない。
・落札者は進化カードを元の所有者から譲り受け、同時に、自分が宣言したのと同じ数のチップを、進化カードの元の所有者から受け取る。元の所有者が充分な数のチップを持っていなかった場合、不足分は銀行から受け取る。
・全員がパスをした場合、進化カードは元の所有者が引き続き所有する。

5:チップの廃棄
・自分の駒四つのうち三つをゴールさせること(←元々のゲームの勝利条件であり終了条件)に成功したプレイヤーは、以降自分の手番が回ってきても必ずパスをする。
・自分の駒四つのうち三つをゴールさせることに成功したプレイヤーは、自分を含む誰かの手番が終了する度に、自分の所有するチップを一枚銀行へ戻す(「パス」も手番に含まれるので、自分を含む誰かがパスをした際も、チップを一枚銀行へ戻すことができる)。

6:勝利条件(終了条件)
・自分の駒四つのうち三つをゴールさせたプレイヤーのうち誰かが、チップを一枚も持たない状態になったら、ゲームはそのプレイヤーの勝利をもって終了となる。
・同時に二人以上のプレイヤーが勝利条件を満たした場合は、複数のプレイヤーが同時に勝者となる。


というわけで一通り作ってみたです。後はこのルールが機能するかどうか。




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