こういうサイトをごらんの方には「自作ゲームが紹介されているのはいいけど、なんか盤とかコマとかいろいろあって、プレイできない…」とお思いの方もおられると思う。むろん、自作ゲームのデザイナーの個人的な知り合いなら問題は無いのだが、そうでない場合は、せっかくルールが公開されていてもプレイできなくなってしまう。
そこでここでは、私なりの自作ゲームのコンポーネント作成術をまとめてみた。たとえばこのサイトで公開されているオリジナルゲームや、他のサイトのオリジナルゲームをプレイする一助となれば幸いである。
各コンポーネントについて、代表的な作り方を解説してみた。
カード
個人的には、カードはレターセットを用いるのが一番よいと思う。近くの文具屋で、小さなカードを探すといい。スタンプカードなどといって、1枚5〜10円程度で売られている。だいたい5枚か10枚セットで売られているので、枚数の柔軟性にも比較的に富んでおり、角が丸くないほかは紙の品質も良いので、私はたいていこれを使っている。
ちなみにカードに数値などのデータを書き込むときには、油性ペンは避けた方がいい。油性ペンだと容易に裏写りして、裏からでもなんのカードだかわかってしまうためだ。サインペンか、ボールペンを使うとよい。
他のやり方としては、パソコンで印刷するための名刺を利用するやり方がある。A4くらいのサイズで10枚ほどがひとつながりになっていて、パソコンで印刷できる。50枚が500円強だからやや割高だが、パソコンで印刷できるために手間がかからず、大量生産に向いているだろう。紙の品質は同程度だが、ものによっては裏側に模様が描かれていたりして、カードとして便利なものもある。ただし、たいてい50枚とか100枚とかでワンセットなので、カード枚数に関して小回りが利かない。
また、トランプを使うやり方もある。手近な100円ショップでトランプを買ってきて、それに、やはり100円ショップで買ってきたステッカーを貼るのだ。ステッカーに好きなように書き込めば、手軽にカードを作れる。このやり方の利点は、カードの質である。ちゃんと角が丸くてシャッフルしやすいカードを使っているので、品質はよい。また、ステッカーを使っているので、裏写りを気にせずに油性ペンだろうが何だろうが使えてしまうのも利点である。欠点としては、どうしても割高になってしまうのと、カードにステッカーを貼るのでなんだか厚ぼったくなってしまい、見栄えは悪くなるし、なによりかさばってしまう。
最後に、ふつうのコピー用紙を切る、という方法もあるのだが、あまりお勧めはしない。裁断機があるならともかく、手で裁断するとなると、かならず不揃いが出てきてしまうからだ。
結論としては、私は便せんなどといっしょに売られているカードを勧める。
ボード
ボードは、家に紙があればこれを用いるのが一番手軽である。紙に手で線を引けば、それでボードになる。厚紙を裏に張り付けて補強するのも良いだろう。手で線をひかずとも、パソコンで罫線を印刷する方法もある。
もっとちゃんとした盤を使いたい、という場合は、ふたたび文具屋の、便せんなどを扱っている場所に行ってみよう。色紙が、だいたい150〜200円で購入できる。色紙にマスを書き込めば、それで盤として十分に活用できるだろう。
もっとも、たいていの場合はふつうの紙に書き込めばよい。
コマ
ちょっとしたホビーショップや玩具屋に行けば、コマは一個15〜20円くらいで購入できる。ただ、目的の色がなかったり、形がそろってなかったりするので大変である。
モノポリーとか双六とか、そういったような、コマの種類が少ないゲームではゼムクリップが割と便利である。色が各種取りそろえられたプラスチック製のが良いだろう。
あるいは、他のゲームから流用する手もある。その場合は、むろんお金がかからないので便利だが、とうぜん適切なゲームがないと困ってしまう。
一方で、盤上をタイルで埋め尽くすような類のゲームの場合は、上記のような手段は使えない。この場合、日曜大工用品を売っているようなところに行って、木の棒を買ってくるといい。この木の棒を輪切りにすると、比較的手軽にコマを作れる。コマの色は、モデルショップのプラモデル用塗料あたりがよい。水性カラーで一色120円ほどなので、安く仕上げることができるだろう。この辺、どのようなコマをどのように活用するのかに応じて適切に購入されたい。
チップ
ホビーショップに行けば、かなりちゃんとしたチップを1枚10円くらいで購入できる。ただし、それでは枚数も色もそろわない場合が多い。
そこで、ふつうの玩具屋に行けば、「ポーカーチップ」としてうられているセットがあるので、これを買うといい。だいたい350〜で、高いほど大きいチップである。品質は悪いが枚数はそろっているので、当座のゲームには問題ない。
チップが必要そうなゲームは、ひとつ「ポーカーチップ」があれば事足りるので、多少は高いものを買ってもいいだろう。
ビット
ゲームに使用する細かな破片みたいな奴だが、基本的にコマと同じようにして作ればよい。
もう一つ、このサイトを管理しているtsw氏が、なかなか興味深いやり方でチットを作っていた。つまり、機械で溶かして使うタイプの固形接着剤(\200/直径7mm×10cm×12本)を買ってきて、それをカッターで切るやり方である。この方が色合いが綺麗になるし、染める必要もなく、木工よりは手軽に作ることが出来る。ただ、難点として接着剤が材料であるため、ちょっとべとべとする。
お金
モノポリーを引き合いに出すまでもなく、ゲームでお金を使うゲームは結構ある。
しかし、それは逆に言えば、既に持ってるゲームから流用できるということである。他にお金を使うゲーム、それこそモノポリーでも、持っていれば、そのお金を使えばよいだろう。
そうでなければ、カードと同じ手段で作ることも出来るだろう。この場合、別に裏写りしてもいいしかたちもある程度は不揃いでかまわないだろうから、紙を切ってカードにするのが良い。
(管理人注:ホビーショップや玩具店でも売っています。六百円くらいから。他に、どこかの国の本物の貨幣/紙幣をそのまま使う方法もあります。)
チーパスのやり方
これは、自作ゲームを大量生産して、同人ゲームとして販売しようという場合に考えられるやりかたである。
たとえば、チーパスゲームズの「キル・ドクター・ラッキーKill Doctor Lucky!」の場合、盤はあるものの、コマが用意されていない。コマは買い手が自分で用意しなければならないのである。
ただし、一度コマを買えば、あとはコマを梱包しない分だけ安くなったゲームを買い求めることが出来るので、結果的には客に得になるシステム、と説明されている。
実際どうかはともかく、同人ゲームなので、ある程度は買い手に揃えてもらうという手法もあり得ると思って、ここで紹介させてもらった。
終わりに…(市販ゲームに関して)
さて、ここまで読んでくださった方は既におわかりかもしれないが、ルールもデータも全てわかっていれば、市販ゲームでも簡単に自作できてしまう。事実、そういうゲームは多数存在する(私も、これを書いている段階で即座に2〜3は思いついてしまう)。
しかし、当然だがそうしたゲームを自作することで安く上げようなどという手法は言語道断である。実際問題、ゲームの料金はコンポーネントの代金だけではない。ゲームのアイディアに対する料金も含めての値段なのだ、と私は考えている。そうでなくとも、ボードゲーム業界が健全に発展するためにも、市販されているゲームは、ちゃんと自分で購入してプレイするよう心がけたい。
…さて、こんなところだ。これで、だいたいのオリジナルゲームを自分で試してみることが出来るようになったことと思う。ちなみに、よほどのことをしなければ、ゲームを自作する場合にそんなにお金はかからない。だいたい、2000円は上回らないだろう。上手くすれば1000円を下回る金額で出来ることもしばしばである。なお、よほどの場合、というのは、タイルを作るのにあたって、木の平板を電鋸で切ってみる手法で、このときに、店の人にカットを頼むと、非常にかかる(1カットが50円とかなので、タイルだけで簡単に数千円を突破してしまう)。コンポーネントを作るときには、注意することだ。
それでは、楽しいボードゲームライフを!